世界遺産『日光の社寺』へ行く ~その2~ 日光東照宮・五重塔
東武日光駅から日光山輪王寺を拝観して、さらに参道を進んで行くと、テレビで見たことのあるような風景が。
徳川家康を祀る日光東照宮へやって来た。
なんか後でポン付けしたような黄金に輝く三つ葉葵の紋。
徳川家康を表す東照大権現の扁額。
神となった家康は「東照大権現」となり平和を守ったとされますが、江戸時代が終わるまで260年以上も大きな戦いがなかったのは偶然なのか必然なのか。
訪問した日は節分の前日とあってか、節分祭で使うような舞台が設置されてた。
五重塔を近くで見ようとしたところ、石階段の上に何か置いてある。
これより先、五重塔入場料が必要です。(セット券は使えません)
ここから先は有料らしいのですが、こんな小さな看板1枚だけで入場制限できる日本ってすごい。
ちょうど、東照宮五重塔初重心柱の特別公開が行われていたので、入場料300円を払って入場することに。
五重塔の心柱といえば、東京スカイツリーにも応用された耐震構造として有名ですが、金ピカの初重心柱(最下層の心柱)が公開されています。
課金したので堂々と入場制限の看板を抜け、五重塔を下から見ると細かな造形の屋根が重なり美しい。
五重塔にもとても細かな装飾がたくさん施されており、四方には干支の動物の彫刻が並んでいる。
入って正面(東側)には、青い梁の上に左から辰、卯、寅の彫刻。
西側では五重塔の扉が開いていて中の初重心柱を見ることができますが、内部は撮影禁止なのでポスターで。
西側の干支の彫刻は戌、酉、申ですが、扉が開いた内部が写らないように撮るのもムズい。
さらに北側の縁の下の格子のすき間から、心柱の一番下を見ることができます。
これだけ見てもよくわからないのですが、一番の見どころは「五重塔の中心を貫いている心柱の一番下は地面には接しておらず浮いている」というところ。
ここが浮いているおかげで、地震の揺れを逃がす効果があるとか。
五重塔の断面図を見ると、礎石から相輪の頭頂部までの高さは約35m、地面の礎石に置かれた柱が1層目を支え、2層目の床と1層目が接続され、同じように2層目と3層目、3層目と4層目、4層目と5層目がまるでユニット構造のように積み上がっており、5層目の上で屋根を支える骨組みがある。
相輪は最上部の屋根の構造体で支えられていますが、塔の中心部が吹き抜けになっており、この吹き抜け部に相輪から4層目まで1本の心柱が吊り下げられていて、さらに4層目で鎖でつなげた別の心柱が1層目まで吊り下がり、屋根の構造体で相輪と心柱を支えているように見える。
この心柱の最下部は礎石の上に10cmほど浮いていて地面と接しておらず、地震で建物が揺れた時に屋根からぶら下がった心柱が振れることで建物全体の揺れを打ち消して耐震性を高めているようにも見えますが、実際のところそのメカニズムは解明されていないらしい。
下部の心柱は上部の心柱と、5層目の柱から鎖で吊り下げられている様子。
今のようにコンピュータのない時代に、これだけ繊細な塔を建ててしまうことに驚くばかり。
五重塔から、陽明門やご本堂方面へ向かいます。