近鉄特急で通訳して人助け
この前の休みに所用で桑名へ行くことになり、大阪難波から近鉄特急に乗る。
ホントは難波9:00発のアーバンライナーに乗り、途中、津で名古屋行きの名伊特急に乗り換えて行きたかったんですが、8:50の時点でアーバンライナーは普通席、デラックス席ともに嫁さんと二人並んで座れる席が空いておらず、仕方なく次の9:30発の名阪乙特急に。
こちらはまだガラガラで席が選び放題だったので、券売機の画面を見ながら一番空いてそうなところを確保。
大阪難波駅構内で少し時間をつぶし、ホームへ。
関西では3番目に発車する列車は「次々発」で定着してますが、これが関東の一部私鉄だと「そのつぎ」と表記されます。
「次々発」と聞けば3番目とすぐ理解できるけど、「そのつぎ」と聞いてもそれが3番目と直感的には理解しにくい。
ちなみに関東式の表記では、早い方から「こんど」「つぎ」「そのつぎ」「そのあと」になります。
8両編成の特急が入線中。
8両編成のうち前4両の1~4号車が近鉄の特急車両で最古参の部類になる12200系、5~6号車が22000系、7~8号車が最新の22600系と、1つの列車で歴史を感じ取れる編成。
22000系までは行先表示は方向幕ですが、22600系はLEDに。
でも、フルカラーじゃなく3色LEDというところに近鉄らしさが出ている。
近鉄の車両は、ブザーみたいな電気笛や昔のファミコンみたいな車内放送のチャイムなど、どことなくダサいところが好き。
そんな近鉄特急ですが、今回、ちょっとした出来事がありました。
特急券を買った時にはガラガラだった7号車に乗り込むと、私の席に女性が座ってる。。。
先週も席間違えたオバハンに出くわしたのに勘弁してくれよ!
と思ったら、この女性、私の姿を見たら席を立ち、斜め前の本来の自分の席に戻る。
ふと見渡すと、私の前列、斜め前、通路向かいと中国人8名様ご一行に囲まれてるじゃないか!
どうやら3世代一家らしく、おじいちゃん、おばあちゃん、夫婦、その子ども、奥さんの姉妹とその子どもという構成。
なんかえらいところに入ってしもたな~
BOSSでも飲みたい気分になりましたが、やはりご多分に漏れず中国人ご一行様はガヤガヤやかましい。
しかし、中国人民の平均年収をはるかに超え海外旅行が出来る彼らはまだマシな方で、去年、中国へ出張した時に国内旅行ご一行様の中に紛れ込んでしまい、そこで見た人民たちの傍若無人ぶりに比べると、まだかわいい。
松野明美の金切り声でさえ、能年玲奈のささやき声に聞こえるようなもん。
その後彼らも眠たくなったのか静かになり、私もウトウトとしていたら、後ろから車掌の話し声が聞こえる。
聞き耳を立ててみると、中国人ご一行様の奥さんが空いている私の後ろの席に移動したらしく、未発売の席に座ってるもんだから車掌が検札をしたらしい。
ところが、中国人の奥さんは日本語がわからず英語で車掌に説明しようとしたけれど、車掌は英語がわからないので通じていない様子。
しゃーないんで、私は中国人の奥さんに
他说,看一看你的车票(あなたの切符見せてって言ってるよ)
と言うと、切符を車掌に見せる。
車掌: もしこの席の方が来たら戻ってください。
私: 如果这座位的人来的时候,你回你的座位。
これで車掌の検札はクリア。
中国人の奥さんは、恐縮そうにお礼を言ってくれた。中国語で。
ところが、これだけでは終わらなかった。
この中国人の奥さん、私が中国語を喋ったのを知ると、畳みかけるように何か言ってくる。
手こずりながらよくよく聞くと、どうやらこんな感じ。
・先週16日、旅行で名古屋に行った時、子どもが鉄棒で遊んでいてまぶたをぶつけて血が出てしまい、救急で病院にかかった。
・消毒などの処置はしたけれど、子どもが騒いでしまい傷口を縫えなかった。
・親としても女の子なので、できれば縫合はしたくない。
・以前、名古屋の整形外科クリニックに行ったことがあり、そのことを救急医に伝えたところ手紙を書いてもらった。
・ただ、この時は京都へ行く予定があったので、子どもの傷は落ち着いてるし他に症状も見られなかったので京都へ行った。(女の子は右まぶたに絆創膏を貼っている)
・その後、大阪を回って、今から名古屋のクリニックへ行くところ。
・このクリニックへの行き方は知ってるが、診てもらうには予約をしなければならない。
・しかし、自分たちは日本語が出来ないので、代わりに電話して予約をしてほしい。
なんかえらいことになってきたぞ!(>_<)
このクリニックをネットで調べたらしく、画面を印刷した紙(日本語)を渡される。
ん~困ってんならしょうがない、予約の電話をすることに。
プリントアウトした紙に書いてある電話番号にかけるけど、電話で事のあらましを説明するのはなかなか難しい。
何とか事情を伝え、予約を取ってもらえることになった。
私:以前、そちらの病院へ行ったことがあるそうなんですが。
ク:では、診察券番号をお願いします。
え?診察券?!
彼らが律儀に診察券を持参してるのかもわからんし、増してや「診察券」を中国語で何て言うのか知らないけれど、中国人の奥さんに
你带医院卡吗?(病院カード持ってます?)
と伝えてみたところ、ちゃんとこのクリニックの診察券を出してくれた。ホッ。
(後で辞書で調べたら挂号证って書いてあった)
診察券に書いてある番号を伝えると、
ク:以前は自費でされてるんですが、今回も自費ですか?とれとも保険使いますか?
私:もうそれはそちらで本人に聞いてください。
ということで、無事ミッション完了。
嫁さんからは
あんた、こういうのによく遭遇するな~
と、半ばあきれられる(笑)
その後、ちゃんと診てもらえたのか気になるところですが、またややっこしい話になっても困るので、クリニックに確認するのはやめとこ。