カーシェアでメルセデス・ベンツA180を借りる

 クルマ@レンタカー・カーシェア・代車,記事リンク有

カーシェアのcarecoで、メルセデス・ベンツA180スタイルAMGラインを借りてみた。

Sクラスに乗ってるのになんでAクラスを借りるの?

と言われそうですが、AクラスはAクラスで体感してみたいと思ったもんで。

台形グリルと、ちょっとつり目で細くなったLEDヘッドライトの新世代デザイン。

各車種しばらくはこのデザインで浸透させるんでしょうな。

全長4440mm、ホイールベースは2730mmで、Cセグハッチバックの標準的なサイズ。

リアはワイド&ローなフォルム。

ディフューザー風なデザインのリアバンパー。

ラゲッジスペースには、careco定番のジュニアシートとお掃除セット。

リアシートはさすがに狭めで、特に185cmの私が運転席のポジションを合わせてその後ろに座ると、ひざが入らずに運転席のシートをガッツリ押してしまうので、大股開きでないと座れません。

車幅が1800mmあるにしては室内幅は広くなく、リアシートに大人3人は数分の移動時間でないと無理かも。

まだ同じCセグの国産車の方が余裕ある(ここでドアの分厚さが違うなどと意味のないことは言わないように)。

リア用のエアコン吹き出し口があるのはうれしい装備。

フロントシートは、硬さ、ホールド性、触感ともにかなりいい。

インパネに横長のタブレットのような液晶モニターが2つ並んでいるのは、最近のメルセデスの共通デザイン。

この車には10.25インチのモニターが2つ並んでいますが、メーターバイザーがなくポン置き感があるのはいかがなものかと。

ドアを開けると表示されるウエルカム画面は、まずはスリーポインテッド・スターと・・・

Aクラスのヘッドライトがぴかーん!の図。

現行Aクラスの目玉装備、「ハイ、メルセデス!」の声で操作できるMBUX。

ユーザーごとにプロファイルがあるようですが、カーシェアの車だし、そもそも声で操作できるメリットを感じないのでこの機能は使わず。

立ちあがったら立ち上がったで、Bluetoothがつながってないと言われるし。

さらに『メンテナンスA 1509km超過しました』とアラートが出る。

メンテナンスAは1年点検のことですが、点検を受けてないのかリセット忘れなのか、どちらにせよお客さんを不安にさせるよなぁ。

メンテナンスAの予約を取りますか?の画面で、「電話する」を選んだらどうなるんやろ?

今どきのメルセデス・ベンツのシフトレバーは国産車のウインカーレバーの位置にありますが、このAクラスのレバーはちょっと細くて頼りない感じ。

左側のウインカー&ワイパーのレバーも細くなってる。

でも、レバー類やステアリングスイッチが車種問わず共通化されているので、車が違っても操作ができるのはいい。

国産車だとマツダは車種問わず操作系のスイッチは共通になっていますが、トヨタなんかは車種が違えばスイッチの場所が全然違って戸惑ったりすることも。

メーターのデザインは、S560にはない「ジェントル」があり試してみると・・・

昔のメルセデスにあったメーターパネル内の大きなアナログ時計が再現されていたり。

リバース警告音が変わり、今どきのちょっと心地いい音色に。

エアコンの吹き出し口(エアアウトレットと言うらしい)はタービン柄でスポーティーな印象。

クライメントコントロール関係のスイッチは小さめで、アイコンも小さくてベースが反射するので、慣れるまではちょっと使いにくいかも。

センターディスプレイ操作用のタッチパッド。

右ハンドル車は左手で操作することになるし、ここはタッチパッドじゃなくダイアルの方が使いやすい。

インパネ右側のパーキングブレーキとライト関係のスイッチもすごくコンパクトですが、操作感は悪くない。

ウインドウ&ドアミラーと電動シートのスイッチ。

比べるのは悪いかもしれませんが、S560よりシートのアジャストできる場所が少ない。

ただ、座面前方の太ももを支える部分が前へ出て調整できるのは、さすが。


以前、マツダの開発の方から聞いた話では、太ももをちゃんと支えてあげることで長距離でも疲れない姿勢を保てるそうで、長距離移動の多いヨーロッパ生まれの欧州車はこの部分を調整できる車が多い。

オーバーヘッドコンソールと室内灯のスイッチ。

Aクラスでも、最新のMercedes meとSOSボタン付き。

右ハンドル車はどうしてもタイヤハウスの影響でアクセルペダルの配置が難しいのですが、安全性重視のメルセデスだけに、アクセルペダルがオルガン式でないのは残念。

それでもアクセルペダルのアームの支点がかなり下にあり、工夫の跡はうかがえる。

運転席のドアを開けると、謎のスイッチがポン付けしてある。

何のスイッチかはわかりません。

エンジンは1.4L DOHCターボ。FFなので横置き。

レスポンスがよく、トルクがすぐに立ち上がるので、1.4Lな感じはしない。

アクセルをオフにすると、ターボ車特有の「プッシュ!」とまあまあ大きめの音がする。

標準タイヤは、なんとハンコック製。

別にハンコックが悪いという意味ではないけれど、性能よりも低コストで売ってるイメージがあったので。

前後とも225/45 R18。メルセデス承認のMOマーク付きなので性能は大丈夫かと。

トランスミッションは7速DCTですが、以前借りたスマートフォーフォーのような変速ショックはないけれど(記事)、MT車のダイレクト感もなかった。

DYNAMIC SELECTはComfortをデフォに4設定。

Sportモードにすると、さらにトルクや足の粘りが出る。

さすがにFR車みたいにコーナーでアクセル踏んで鼻先を回すのは無理ですが、それ以外ではFFっぽいアンダーをあまり感じられずに楽しく走れる。

リアサスはトーションビームですが、トラックじゃないか!と侮るなかれ、しなやかなのにコシがあり、自然なフィーリングで乗りやすい。

エンジンモニターは未来感のあるデザイン。

ちなみにS560のエンジンモニターはこんなデザイン。

A180の追尾クルコンは、アクティブステアリングアシストが付いたタイプで、S560と比べても違和感はありません。

アクティブブレーキアシストの作動タイミングを早めに設定しておけば、エンジンを切っても設定は保持される。

なんでS560はエンジン切る度に設定がクリアされてしまうのか謎だし、不満点のひとつでもある。

クルコンを100km/hにセットして巡行すると、エンジン回転数は7速で約1900回転。

少しエンジン音とロードノイズはあるけれど、不快なレベルではなく全然OK。

メルセデス・ベンツの中では一番"お手軽"なグレードですが、後席がちょっと狭いこと以外はいいんじゃないでしょうか。

300万円台(といっても実質400万円を超えるでしょうが)でドイツ車の乗り味が得られて、クラス以上の質感もあり、最新のメルセデスの電子デバイスが手に入るので、悪い買い物ではないと思う。

ただ、さすがにプレミアムな車格ではないし、敏感な人ならヒエラルキーを感じる場面はあるかも。