明治にできた監獄施設『博物館 網走監獄』へ行く

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釧路からJRで網走に着いたあと(記事)、女満別空港から羽田へ戻る前に、明治に造られた網走刑務所の施設を移設、再現展示している『博物館 網走監獄』へ行くことに。


網走駅から網走監獄までバスで行けますが、女満別空港からのフライトの時間の都合で網走監獄を見学する時間があまりないので、網走駅からタクシーで向かうことに。

所要時間は約7分、タクシー代は2000円でおつりが来るぐらい。

ただ、タクシーの運転手さんからいろんな話が聞けて、結構面白かった。

曰く、今でも絶賛現役稼働中の網走刑務所は再犯じゃないと入れない一見さんお断りの刑務所で、実際にお勤めされた方(5回目)を出所後に乗せた時に網走刑務所の感想を聞いたところ「網走は日本一厳しい刑務所のイメージがあるけどむしろ他よりも居心地はよくて、また入るなら網走がいい」と仰ってたそうで。

道中、網走刑務所の前を通ると「ここが今でも使われてる網走刑務所ですよ」と教えてくれたり。

「網走刑務所」と聞くと昭和世代は高倉健をイメージしますが、最近はゴールデンカムイの聖地巡礼に訪れる若い人が多いそうで。

私は網走番外地もゴールデンカムイも見たことないけど。


網走監獄に着いて、最初に渡るのが鏡橋。

網走刑務所に入る時も出る時も渡る橋で、川面に映る自分を見つめ直すらしい。

入る時にそんな余裕があるのかはわかりませんが。

橋から先は、動画投稿サイトへの投稿やライブ配信が禁止されている。

静止画は禁止されていないようで。

入場料は大人1,500円也(税込)。

入場券売り場の向かいにコインロッカー室があるので、ここにスーツケースを預ける。

近づくまでホントに誰か立ってるのかと思うほどリアルな看守。

見学時間が1時間20分しかなく全部の施設をじっくり見て回れないと思うので、一番押さえておかなければならない放射状舎房に時間をかけることに。

丘の一番上にある放射状舎房入口。

この舎房は明治45年に建てられ、昭和59年まで83年間も実際に使われていたという。

空から見ると舎房入口から放射状に伸びる様子がわかります。

放射状に伸びる舎房の根元にあるのが中央見張。

見張り所を中心に、5つある舎房が伸びていて・・・

見張り所の中からすべての舎房を見渡すことができる。

舎房に入ると独特の臭いがあり、臭いがあっても大抵の人は大丈夫ですが、一緒に行った嫁さんは入った瞬間、この臭いに耐えられなかったらしくギブアップ。

83年間使われてる間に、囚人達の男臭が染み付いたんでしょうか?

舎房のまっすぐ伸びる通路はレンガ敷で、木製の扉と格子で仕切られている。

格子はひし形をしている「斜め格子」と呼ばれるもので・・・

廊下からは内部を見ることができるけど、向かい合う房同士は見えないような作り。

雑居房は9.9平米(3坪)で奥に便所の仕切りがあり、ここに3~5人収容してたとか。

便所は当然水洗ではないし、蓋をするとはいえ臭いがエグそう。

雑居房での食事の様子も再現されている。

雑居房の中から見ると、向かいの房の中は見えないけど、声は通るよな。

雑居房から外の太陽を見ると、我が師尾崎豊のCOLD JAIL NIGHTを思い出す。

~監獄の太陽は俺の前でちぎれてゆく♪~

雑居房の他に、独居房もある。

独居房の広さは4.9平米(2.58畳)

雑居房より一人の専有面積は広い。

独居房で刑務作業をすることも。

独居房では「屏禁罰」と呼ばれる囚人の懲罰が執行されたり。

房の窓には外から鉄格子がはめられていますが、天井の採光窓には鉄格子がないため・・・

「昭和の脱獄魔」が独房の扉の鉄格子を外して廊下に出て、採光窓を割り脱獄したことも。

屏禁罰でも改めない場合は、さらに重い懲罰として懲罰房に入れられる。

分厚いレンガの壁に囲まれ、まるで焼き物の釜のような独居房は、扉を閉めると明かりが一切入らず中は真っ暗に。

ここで食事も制限され反省を促したらしい。

この独居房はかつて網走刑務所で実際に使われていたもので、その後博物館に移設されました。

木製の懲罰房もあり、こちらも中は真っ暗に。

中をのぞくと・・・

中に懲罰を受けた囚人がいて、ちょっとビビった。

別棟にある浴場。

脱衣場で服を脱ぎ・・・

号令とともに1浴、洗体、2浴、洗顔と進む。

囚人の入浴の様子が再現されてますが・・・

もんもんが入ってたりして、なかなかリアル。

入浴時間は15分で、5日ごとに入れるんだとか。

そら、男臭が染み付きそうやな。

網走刑務所では自給自足のため野菜の栽培や牛の飼育もしており、採った野菜で作った漬物を保管するつけもの庫も。

大きな漬物樽が並んでる。

味噌や醤油も作ったそうで、味噌庫の中はほんのり味噌の香りも。

網走監獄は自然豊かな国定公園内にあり、リスが走ってたり!

天然のリスを生で見たのは初めてかも。

さすが北海道。

駆け足で見て回ったところ少し時間に余裕ができたので、敷地内にある『監獄食堂』でお昼を食べることに。

ここでは普通の食堂メニューもありますが、監獄食を再現したメニューも。

せっかくなので監獄食A(さんま)監獄食B(ほっけ)をオーダー。各900円也。

監獄食Aは、麦飯、みそ汁、さんま、小鉢2種の定食。

さんまはちょっと小ぶりで、味はまあまあ。

監獄食Bは、焼き魚がほっけに。

麦飯はパサパサでまずいけど、みそ汁は薄味ではなくちゃんとおいしい。

さすがは北海道、このほっけが激うまで、こんな肉厚でジューシーなほっけは食べたことがないくらい。

刑務所に入ることを「臭いメシを食う」なんて言ったりしますが、麦飯はまずくてまさに「臭いメシ」だけど焼き魚は激うま。

囚人の方がええもん食ってるんとちゃう?

食堂は数組が並んでいて、席に案内されて料理が提供されるまで15分ほど掛かり、ササっと食べたら網走監獄を出所。

網走監獄から女満別空港へバスでは直行できず、一旦網走駅に戻り空港連絡バスに乗る必要がありますが、時間がないので今回は予めタクシーを予約しておき空港へ向かいます。

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