BMW530eで電気だけで走るチャレンジ

 クルマ@BMW530e_G30

BMW530eはプラグインハイブリッドですが、ちょっとした実験をしてみました。

トヨタのハイブリッドの場合、市街地では発進加速はモーター、負荷が少なくなるとエンジンを併用して走行し、負荷が一定になる高速ではエンジンがメインになり同時にバッテリーへの充電も行われたりと、車速や負荷に応じて電気が有利な場合とガソリンが有利な場合で適した動力源にこまめに切り替えてくれます。

ところが530e場合、市街地であろうと高速であろうと、バッテリーの残量があれば使い切るまでひたすら電気で走り続け、バッテリー残量がなくなるとエンジンだけで走ります。

なので、動力切り替えを車に任せてしまうと、ガソリン消費の少ない高速で定速巡航しているうちにバッテリーを使い切ってしまい、高速を降りてモーターで走って欲しい場面でエンジンだけで走りガソリンを多く消費してしまうので、それほど燃費がよくならないという。

対策として、手動でこまめに走行モードをHYBRIDやSPORTに切り替えて、エンジンを使うか使わないかを選んでいます。

ただ、見方を変えると、530eの場合はバッテリー残量があるうちはエンジンは回らないので、バッテリーを使い切る前に充電して電気だけで走ればガソリンを使わずに済むんじゃないか?

BMWの新車を買うと1年間充電費用が無料になるキャンペーン中ということもあり、電気代ゼロでどこまでも走れるかも?!

という訳で、電気だけで走るチャレンジをしてみることに。


ガソリンを満タンにして、電気生活のスタート。

車を始動させると必ずHYBRIDモードになり、パワーゲージ40%以下ならモーターだけで走行します。

40%を超えるとエンジンが掛かってしまうので、慎重なアクセルワークが求められる。

ELECTRICモードにするとパワーゲージ60%までモーターで走るので、むしろバッテリー消費が大きくなったり。

日常の行動範囲では、会社の近くの公共充電スポットとイオンモールの充電スポットをメインにして、その他の場所でもできるだけ普通充電可能な駐車場を選び、駐車中にこまめに充電。

もちろん遠出はできないので、遠出する時は他の車に乗り、530eは充電スポットをハシゴできる範囲のみ。

そうやって意識して電気だけで走る電気自動車ごっこをしてみると意外と電気だけでも走れるもんで、気が付けば実験スタートの時に満タンにしてから半年間無給油&電気代タダで過ごしました。

電気だけで走ってると、エンジンやガソリンがただのデッドウェイトに思えてくるほど。

一応、電気だけで1000km走行を目指してたんですが、実験を始めて半年後、どうしても530eで遠出しなければならない用事ができてしまい、やむなく実験は終了。

前回給油してから実験終了まで942.1km走り、そのうちの782.5kmは電気で走行。

半年ぶりに給油したところ給油量は14.12L、ガソリン+電気での燃費は66.7km/Lとなりました。

ガソリンも消費してますが、エンジンを全く回さないのもそれはそれで悪影響があるため、ときどき暖気程度にエンジンを回したり、また、充電スポットへたどり着く前にバッテリーが切れてエンジンで走ったこともあったので。

エンジン回してガソリンで走った分の燃費は11.30km/Lでした。


電気自動車ごっこをしてみたところ、電費や充電時間の計算が頭の中でできるようになります。

電気自動車はスペック上の数値と実際の数値との乖離が大きすぎるので、充電時間や電費のイメージをつかみやすくするには、カタログスペックではなく実際の充電時間と走行距離で考えた方がいい。

BMWは日本のチャデモ規格には適合していないので、公共充電スポットでは基本的に普通充電しか使えません。

自動車用の普通充電は200V/16A、3kWhがほとんどなので、ざっくり1時間で3kWh充電でき、530eの場合は空っぽから100%充電まで約5時間を要すので、バッテリーは15kWhと考えます。

100%充電で実際に走れるのは30kmほど(カタログスペックの約半分)なので、電費は2km/kWh

単位をあえてkm/kWhにしたのは、燃費の単位がkm/L(1Lで何km走るか)なので、電費も1kWhで何km走るかに合わせた方がイメージしやすい。

カタログスペックでの電費の単位はWh/km(1km走るための電力量)で表示されますが、逆数を取れば計算できます(250Wh/kmなら0.25kWh/kmなので、1÷0.25で4km/kWhとなります)。

例えば、電費が2km/kWhなら公共充電で1時間充電したら6km走行分の電気がたまるので、往復12kmの距離なら2時間は充電せなあかんなぁ、という目安になります。

ただ、気温や走行条件、道路状況などによってばらつくので、これは経験をして修正していかなくてはならないでしょう。

エアコンを使うと航続距離が短くなってしまい、特に暖房は電気の消費が激しくなるし。

BMWアプリで充電履歴が残るので、半年間の充電記録を一覧にしてみます。

年/月 充電回数 充電時間 充電量
2022/4 5 16h48m 50kWh
2022/5 7 19h19m 58kWh
2022/6 7 12h55m 38kWh
2022/7 9 22h30m 66kWh
2022/8 8 20h28m 59kWh
2022/9 5 13h28m 40kWh
合計 41 105h28m 311kWh

トータルで計算すると電費は2.5km/kWhとなりました。


電気自動車は航続距離と充電環境を考えると今はまだ遠出は難しいのですが、ホンダeや日産サクラなどの航続距離200kmぐらいで街乗り用に全振りした電気自動車をゲタ車として使うなら、ガソリン車よりはるかに使えると思う。

ただ、タウンカーにしては値段が高いのが難点だな。

自宅や職場には充電環境がないので今回は全て公共設備(200V)で充電しましたが、家庭用100Vでの充電はちょっと厳しいかもしれません。

一度、100Vで充電したことがありますが、200Vの半分しか充電できないので1時間かけても2kmちょっとしか走れないし。

電気自動車はガソリン車とエネルギーチャージの仕方が違うので、ガソリン車の代替ではなく、そもそも用途が違う乗り物だと理解した方がいいかもしれません。

電気自動車の場合、ガソリン車のようにバッテリー残量が減ったら満タン充電する方法では充電に時間が掛かるため遠出には向いてませんが、駐車中の車が動いていない空き時間を利用して充電できるメリットを利用し、チョイノリ的な使い方で充電スポットをハシゴできるなら、わざわざガソリンスタンドをへ行って給油する手間は省けます。

電気自動車の向き不向きは、使う人それぞれ行動パターンや環境によっても大きく変わるでしょうね。

最近は日産サクラを見る機会が多くなりましたが、その分、公共充電スポットの競争率も上がり、今までいつ行っても空いていた充電器にサクラで塞がっていたことは2度3度ではありません。

今後、電気自動車が増えると、さらに充電設備が混むのが嫌だな。


もうひとつ、実際に充電スポットを多用してみてわかったのは、充電用カードの認証の問題。

私はBMWを買った時に付いてきたBMW Chargeingカードを使ってますが、最近、特に地方ではTOYOTAウォレットしか認証できない充電スポットが多く、他のカードでは使えないことが多い。

一応、経緯はあるようですが、ただでさえ充電スポットが十分とは言えず、さらに認証方式で使える場所が絞り込まれてしまうというのは、口では電気自動車を普及させようと言いながら、実際はいくつも障壁を設けるというニッポンの得意なところ。

反面、駐車場や商業施設によっては認証不要で無料で充電できる場所もあり、常に最新の情報を取るのは必須かもしれません。

 クルマ@BMW530e_G30

Posted by 管理人