青函トンネルを知る施設 『青函トンネル記念館』へ行く
竜飛崎から車ですぐのところにある青函トンネル記念館へ。
青函トンネル記念館は、元々青函トンネル掘削工事の本州側の基地でした。
風が強く、風力発電の風車がすごい速さで回ってた。
駐車場から青函トンネル記念館へ行くだけでも、強風で体が持っていかれそうになるし。
青函トンネル記念館は、トンネル工事の資料を展示している展示ホールと、ケーブルカーで斜坑を下る体験坑道があり、それぞれ別料金なので・・・
展示ホールの入場料と体験坑道乗車券のセット券を買う。
体験坑道へのケーブルカーは乗車券を買う時に便を指定します。
体験坑道ケーブルカーは作業員と資材を地下へ運ぶ斜坑ケーブルでしたが、今では青函トンネル竜飛斜坑鉄道として営業している鉄道路線。
発車時刻表もあり25分間隔で運行していますが、体験坑道では係員が付き添ったツアーになっているので、行きの便と帰りの便が紐づけられます。
青函トンネルを通過する列車の風が抜けるのを防ぐためか駅はエアロックのようになっており、改札側の出入口の扉が開いている時は、地下へ伸びる線路にある風門は閉まっている。
通常の2両の車両がケーブルでつながったつるべ式とは違い、1車両を巻き上げて上下する単線単行式。
ウエイトバラストも見当たらず。
斜坑の断面が小さいので、座席は2+1列。
座席の青いモケット地が国鉄っぽい。
普通のケーブルカーとは違い座席にはシートベルトがあり、注意事項も独特。
改札側の扉が閉められると風門が開き、青函トンネル記念館駅を出発。
駅構内はゆっくりですが、斜坑へ入ると速度が上がり、レールの継ぎ目での音と振動がすごいところは、作業用ケーブルカーの雰囲気を感じる。
トンネルの壁面にはライフラインの配線や配管が付けられ、線路脇には非常用階段。
地下の体験坑道駅へ到着する直前に線路が分岐しており、分岐線は坑道内へ通じている。
青函トンネル記念館駅の風門が開いて出発する様子と、体験坑道駅到着時の様子。
我々を下ろした後、前の便で出発したツアーが地上へ戻っていく。
体験坑道駅から地上まで1329段の階段があり徒歩で約20分と書いてありますが、20分では無理ちゃう?
ちなみに、東京タワーのメインデッキの展望台へ行く外階段が600段です。
体験坑道駅直前で分岐していたケーブルカーの線路が通じている。
実際に使われた作業坑に、実際に工事で使われた機械が展示され、当時の現場の雰囲気が再現されている。
パネルでトンネル掘削の工程が解説されており、各工程で使われた実際の機材が展示されている。
前代未聞の海底トンネルだけに工事は想定外のことだらけで、途中で何度も工法を変えて掘り進む。
トンネル工事では異常出水もありますが、海底トンネルではなおさら。
中でも昭和51年5月に起きた「51・5出水」は最大規模の出水事故で、毎分85トンもの水が出て浸水し、水没した作業抗を閉鎖し迂回して掘り直しを余儀なくされたとか。
昭和39年から掘り始め、21年もの歳月をかけて昭和60年に本抗が貫通。
体験坑道は旧竜飛海底駅とつながっていましたが、今は駅は廃止され、非常時の避難所と保線基地に。
この柵の向こうに本坑トンネルがある。
この柵の近くに携帯電話のアンテナがあり、海底トンネルでも携帯がつながります。
20分ちょっとの体験坑道ツアーも終わり、体験坑道駅から地上へ。
もぐら号が地上の青函トンネル記念館駅に到着すると降車はできますが、風門が閉まるまでは駅の外へは出られない。
青函トンネルの構想から完成まで、パネルによる解説や地層をボーリング調査した土壌サンプルなどが展示されている。
体験坑道のパネルとは違った内容。
パネルとともに、土壌サンプルも。
砂岩のサンプルを見るとまさに砂のかたまりで、触ると簡単に崩れて砂になる。
こんな地層によくトンネルを掘ったもんだ。
子どもの頃、砂山にトンネル掘って遊びましたが、砂山とは訳が違うし。
掘削が困難な地層に出くわす度に、新たな工法が使われて乗り越えました。
本州と北海道の境目を示すプレート。実際のトンネル内にも設置されているはず?
駐車場の脇にもトンネル工事で使われた機材が展示されています。
青函トンネル内に敷かれている三線式スラブ軌道。標準軌の新幹線と狭軌の在来線が同じ線路を走れます。
斜坑で作業員を運ぶ斜坑人車。
屋外に放置の状態で置かれているせいか、かなり朽ちてきている。
その横には、本当に朽ちて屋根が落ちた車両も。
恐らく、体験坑道で見た水平人車のような。
青函トンネルがいかにして造られたか、その苦労や技術など、とても勉強になりました。
青函トンネル記念館へのアクセス道路は毎年11月上旬から翌年4月下旬まで冬季閉鎖され、この期間は青函トンネル記念館も休館してるのでご注意を。