ケーブルカーで行く遊園地 『ラクテンチ』へ行く
大分県別府市は湯量日本一を誇る温泉で有名ですが、今回別府で一番に行きたいと思っていたところがラクテンチ。
ローカルな遊園地で、今では他の遊園地と同様に来園者が多くはないようですが、私が子どもの頃にちょくちょく連れて行ってもらいました。
まずは窓口で入園券を買います。
夏場はプール営業をしてるので、訪問した夕方はプールから帰るお客さんがちらほらでしたが、さすがに陽が傾いた時間に入園する人はほとんどいない。
そんな閑散としたチケット売り場でしたが、建物に沿って行列する場所が書かれているので、一度にどっとお客さんが押し寄せる時間があるみたい。
壁に貼ってある案内を見るとどうやら並び方も決まっているらしく、「前へならえ!」のポーズで間隔を開けて並び、先頭の人は頭を下げるみたい。
幸い、私は並ばずに買えたので、前へならえポーズはしてません。
入園券にケーブルカーの往復乗車券が付いて、大人1,300円也(8%税込)。
このラクテンチの特徴は、遊園地へ入園するにはケーブルカーに乗らなければならないところ。
このケーブルカー、1929年(昭和4年)にラクテンチ開園とともに開業し、今年で開業90年。
元々、ラクテンチの遊具のひとつとして存在していたので、基本的にこのケーブルカーに乗車するにはラクテンチの入園券が必要ですが、山上の住民や関係者のみケーブルカーだけの乗車が可能で、鉄道輸送の役割も果たしている。
待合室に歴代ケーブルカーが掲示されていて、初代はハト号とツバメ号。
1974年(昭和49年)に製造された車体は、はくちょう号とぱんだ号。
子どもの時に乗ったのもこれでした。
2004年にワンダーラクテンチとしてリニューアルされたのを機に再塗装され、スター号とライト号に。
愛称が変われど車体は同じ。
2009年に、前面に近鉄生駒ケーブルのようなイヌとネコに加飾され、2010年に公募で愛称がドリーム号とメモリー号に。
今年の6月にイヌとネコの加飾が外され今はすっぴんの姿ですが、2020年にリニューアルされるらしい。
ケーブルカーの改札口に掲示されている鋼索鉄道事業免許を見ると、線路長は253.5m、最大勾配は55.8パーミルで約30度の角度が付いている。
『車内持込禁止物のお知らせ』のフォントが昭和感漂っていていい雰囲気。
勾配は30度ぐらいなので、麓側の駅で車両の傾斜はほとんどない。
車両は昭和49年のアルナ工機製ですが、台車は1951年(昭和26年)製で日本最古の台車なんだとか。
山上駅を見上げると、シンボルになっているフラワー大観覧車もそびえる。
可動部分がないのにちゃんと分岐するのは、外側の車輪が溝付きでレールを左右から挟んでおり、内側の車輪は接地部分が平らの平車輪で車両を支えているだけなので、外側のレールに引っ張られて方向を変えます。
車輪が通る部分と、ケーブルの部分が上手く配置された分岐器は見ていて美しい。
ケーブルカーは、得てして到着後にゆっくりとホームには滞在できないもんです。
大きなモーターやケーブル巻き上げ機が並んでいて、潤滑油のにおいも漂う。
駅の上にあるフラワー大観覧車は、元々宝塚ファミリーランドにあったらしい。
それやったら宝塚時代にこれ乗ったことあるやん!と思い乗ろうとしたら、この日は点検中で乗れなかった。。。
ラクテンチの中へ行こうとも思ったんですが、麓よりは涼しいとはいえ蒸し暑いし、帰りのケーブルカーにたくさん並んでたので、すぐに山を下ることに。
待合室には昔のラクテンチの写真が展示してあったのですが、以前は「ケーブル ラクテンチ」って名前だったなぁと思い出す。
地方の遊園地は来園者が減っており厳しいようですが、歴史のある名門遊園地は他にはない雰囲気があっていいもんです。