旧国鉄広尾線、幸福駅へ行く
昭和の頃、縁起がいいと特にカップルの間でブームになった「愛国駅から幸福駅」への片道切符。
どちらも旧国鉄広尾線にあった駅ですが、広尾線が廃止された後も人気の観光スポットとして来訪者も多いようです。
先に愛国駅へ行ったので、次に幸福駅へ行ってみた。
愛国駅とは違いバスも止められるほどの広い駐車場があり、国内外からの観光客で賑わってます。
「ようこそ幸福駅」には現在の幸福駅の説明が書いてあり、ウェディング体験ができるとか。
てか、「ウェディング体験」ってなに?
広尾線が廃止された時の駅舎は老朽化で建て替えられており、今の駅舎は当時の駅舎のレプリカ。
駅舎には、愛国から幸福の切符を模した紙やメッセージが書かれた紙が、まるで消波ブロックにくっつくフジツボのようにびっしり貼られている。
駅舎の中も、集合体恐怖症の人が見たら鳥肌出まくるんじゃないかと思うくらい紙がビラビラ。
たぶん幸福を願って貼ってるんでしょうが、ちょっとやり過ぎのような気がして、自分だけ良ければ景観はどうでもいいとでも?
まあ、このピンクの紙は目の前の売店で売ってるんですが。
駅舎からホームへ入るところには、こうふくの鐘が。
いかにもカップルが喜びそうな鐘ですが、とりあえずおっさん一人で鳴らしてみたら意外と鐘の音が大きくてビックリ。
ホームには国鉄仕様の駅名標(廃止当時のものではないみたい)と・・・
ホームに面した線路には、朱色のキハ22-221が静態保存、展示されています。
キハ22形は寒冷地向けということもあり、デッキで客室と仕切られている。
客室内は現役時代のまま残されていて、国鉄色のモケットは擦れて薄くなってしまってるところも。
床は、雪や水で滑るのを防ぎ、靴の滑り止め金具による傷防止のため木製で、点検口のふたもある。
昭和61年~62年の間に実際に販売された観光旅行記念きっぷが紹介されている。
壁には「便所使用中」が光る、四角い便所使用知らせ灯。
その下にはプレートの撤去跡が残ってますが、もしかして「停車中は使用しないでください」とか書いてあった?
車内の銘板も朽ちていて文字が消えかかってますが、なんとか「富士重工」「昭和38」の文字は読み取れる。
こちらの運転台はあまり陽が当たらないせいか、朽ち感は少ない。
同じ線路上に、スノープラウが付いたモーターカーも静置されています。
中を覗くと埃が被り全体がグレーですが、「大形軌道モーターカー運転者の心得」と書かれたプレートは辛うじて読める。
雪国のモーターカーには、視界を確保するための旋回窓が装備されている。
船ではよく見る旋回窓ですが、雪の影響を受けやすいワイパーとは違い、丸い部分が高速で回転して遠心力で飛ばして視界を確保します。
ホームから離れたところには、キハ22-238も静態保存されてますが、この日は中の展示はしてないようで。
静態保存してる車両ですが、撮りようによっては現役で走ってるようにも見えたり。
それでも、しっかり観光旅行記念入場券は買って帰る。
切符が折れないように封筒をくれましたが、封筒に記念スタンプを押しておいた。
売店の壁には、幸福駅発車時刻表も。
手書きなので廃止当時ものではないかと。
愛国駅は住宅地にあり訪問した時には私以外に誰もいませんでしたが、幸福駅はバスも止められる駐車場や売店もあり、人がたくさん来てました。
みんな幸せになりたいんやなぁ。