『おさもしみまい』って何でしょう?
実は、この前の土曜日に岐阜に住む祖母が亡くなって、昨日の葬式が済むまでバタバタしてました。
日曜日に岐阜へ駆けつけると、早速、喪主の伯父さんから、お通夜で受付をしてくれと頼まれてしまいました。
でも、今まで受付なんてやったことないし、何をどうすればいいのかサッパリわからなかったので、地元の自治会から応援に来てくれた方に手ほどきを受けることに。
「来てもらったら、これに記帳してもらって」
(これはわかる)
「そして、これ(会葬御礼)を渡してね」
(これもわかる)
「もし、香典を持って見えられたら、香典返しも一緒に渡して」
(え、香典返しは受付で渡すの?)
「でも、『おさもしみまい』だったらこれ(会葬御礼)だけね」
(え、それ何?)
ちょっとここで知らない単語が出てきたので、もういっぺん聞いてみます。
「すいません、『おさもしみまい』って何ですか?」
「まんじゅうを持ってくるときもあるし、現金の時もあるし」
まんじゅうだった場合はわかるけど、もし現金だったときは香典とどうやって見分けるのかというと、
書いてある
そうです。
受付のカウンターには、蛍光灯が入っていて上がガラスになっている箱が置いてあります。
↓ちょうどこんな感じ。
香典や『おさもしみまい』をもらったら袋をこの上に置き、光に透かして中身が入っているかどうかをチェックするんです。
たまに中身を入れ忘れる人がいるとか。
で、もし中身が入ってなかったらどうするのかを聞いたら、
「中身、入ってません」
と言うそうです!
そんなストレートに言っちゃっていいの?(汗)
でも、こんなんで本当に中身が見えるのかと思い自分が持ってきた香典袋を乗せてみると、確かに中袋は透けて見えますが、中袋の中のお札までは見えません。
中袋が入ってたらヨシとするのかなぁ?
と、なんだかよくわからないまま、会葬者が来ちゃいました。
みなさんやはり袋を持ってきますが、それが香典なのか『おさもしみまい』なのかがわかりません。
はじめはアタフタしていちいち聞きながら進めてたんですが、そのうち慣れてきます。
余裕が出てきた頃、改めて袋を見ると・・・
御淋見舞
と書いてある!
あ、これが『おさもしみまい』か!!
ようやく理解できました。
後で調べたら、御淋見舞(正しくは「おさびしみまい」)はお通夜に包むもので、東海地方の風習だそうです。
はじめて知ったヨ。
お通夜が始まって受付が一段落したころ、香典袋と御淋見舞袋をまとめます。
すると、あることに気が付きました。
みなさんがお持ちになられた袋は、全て水引きが印刷されている封筒タイプのものばかり。
これなら中にお札が入ってるかどうか、光に透かして確認できます。
お札の種類までバッチリ見えます。
我々が普通に使っている水引きをかける香典袋は、よそ者の私たち以外、誰もいませんでした。
これも、この地域の風習なんでしょうか?
そして香典返しですが、これもこの地方では香典と引き換えにビール券を渡して終了だそうです。
こうして無事、任務を完了したのでした。
伯父さんは、「こういう時に親戚がいると助かるなぁ。なんせ(亡くなった)本人は何も出来ないから、ははは・・・」と、こんな時でも余裕あるわ。
そして次の日。
葬儀に供花を立ててますが、この地方では会葬者が供花(生花)を持って帰る風習があるそうです。
では、棺に入れる花はどうするのかというと、なんと別に用意されています。
焼香の途中で供花が運び出されて小分けされ、式が終わったら出口でお花をもらって帰ります。
なんか、この地方の風習ははじめてのものばかりで、戸惑ったり驚いたり。
ちなみにもうひとつ驚いたことが。
これは風習とは関係ありませんが、お葬式でお坊さんが4人来て読経してました。
4人も来た葬式なんて、今まで経験したことありません。
一人は背の高い金ピカのかぶりものをしていて、真ん中に座ります。
たぶん一番偉いんでしょう。
その右側に、持ち手の付いた鈴(りん)を鳴らすお坊さん、左に太鼓係のお坊さんとシンバル?みたいなやつと木魚係のお坊さんが座ります。
そして、読経の合間に、
チーン(りん)、ドン(太鼓)、シャーン(シンバルみたいなやつ)
チーン、ドン、シャーン
チン、ドン、シャン、チン、ドン、シャン、チン、ドン、シャン、・・・
なんか、えらいにぎやかやな~(汗)
ちなみに、お寺さんは臨済宗の菩提寺です。
お寺の名前は伏せますが、このあたりのハイキングコースに入っている程のデカイお寺です。
葬式の後、私の母のプチ同窓会が始まりました。
私は控え室に戻ってたんですが、そこへ母がやって来て私を連れて行き「これ、ウチの息子」とお披露目。
「ひや~ 大きくなって」
「こ~んな小さかったのに」
「あんた、ウチの居間でおしっこ漏らしたんやで」
「ぎゃはははは・・・」
もう、いじられまくり(笑)
その後、母に「さっき、おしっこ漏らしたって言ってた人だれ?」と聞いたら・・・
知らん!
うっそー・・・(汗)
まあ、なんだかんだいろんなことが起こった二日間でした。
祖母は97歳で大往生でした。
古い名古屋人気質で少々気の強い祖母の思い出は、「えか!、えか!」と怒られたことしか出てきません。
いとこにも思い出を聞いたら、やっぱり怒られたことしか出てこないそうです。
そんな祖母でしたが、やっぱり淋しいもんですね。
あ、最後にしんみりしてスイマセン。