神戸のトヨタレンタカーでGRヤリスRZを借りてみた
去年、トヨタレンタカーでNAエンジン&CVTのGRヤリスRSを借りましたが(記事)、これがものすごく楽しくて、買いたいと思うほどいい車でした。
そこで今回、トヨタが世界ラリーのために作った4WDターボ、6MTのゴリゴリスポーツグレードのGRヤリスRZを借りてみることに。
レンタカーで6MT車はかなり少ないけど、神戸にあった。
前回借りた時は白だったので大型バンパーの迫力が目立ってましたが、黒だとバンパーのグリルやダクトが目立たず、ちょっと損してるような。
3ドア専用ボディーで、ノーマルのヤリスより全長が55mm長い。
やっぱり黒だと、後ろから見たときのボリューミーなリアフェンダーの迫力が抑えられがち。
GR-FOURのエンブレムが4WDの証。
セリカでWRCに出てた頃の記憶で、GT-FOURと間違えがち。
ENKEI製18インチ8Jのアルミホイールに225/40R18のタイヤ。
純正タイヤはダンロップSP SPORT MAXX 050なのに、グッドイヤーEfficientGrip Comfortが装着されているのはレンタカーだからか?
エンジンカバーが付いたDOHC1.6L直3ターボエンジンは、272馬力、340N/mを発揮。
発熱がすごく、ボンネットのノッチを開けたり、ボンネットのつっかえ棒を固定するときに触れないほど熱くなってるし。
ただ、ターボが効かない低回転では3気筒1.6Lエンジンのせいなのかアクセルレスポンスが悪い時があり、発進時に1回エンストしてしまったことも。
高出力ターボエンジンらしく、大型のエアクリーナーボックスが付いている。
こんなエンジンでも指定オイルが0W-20なのは、今どきの低燃費エンジンっぽい。
ホールド性のいい純正シートはクッションが分厚いのですが・・・
フロアと座面との距離があるので、着座位置はちょっと高く感じる。
リアシートの足元は狭いけど、リアシートとフロントシートがくっついて全くすき間がないGR86よりはマシ。
ルーフ後方が絞り込まれているためリアシートの頭上空間はかなり狭く、実質、クッション付きの荷室。
ノーマルのヤリスと同じデザインですが、GRのマークが入ってたりと細かいところは違ってる。
追尾クルコンが良くて、ロードスターのMT車にもクルコンは付いてるけど追尾機能はなく、シフトチェンジでクラッチを踏むとクルコンがキャンセルされてしまいますが、GRヤリスはクラッチ踏んでもキャンセルされないので、シフトチェンジしても追尾を継続してくれるのはかなりいい!
ただ、追尾で停止はできませんが、MT車はクラッチを切らなあかんのでキャンセルされて当たり前。
メーター中央部にある液晶ディスプレイには、各タイヤへの駆動力のインジケーターが表示されたり・・・
連成計や油圧、油温が表示されるのは、さすがハイパフォーマンスエンジン。
外気温が高い時にあまり回し過ぎると発熱してしまい、高負荷走行を控えるよう警告が出る。
ドアを開閉したら、ディスプレイにドア開閉のアニメーションが表示されて芸が細かい。
シフトレバーはカチッとキレがあり、マシーンを操ってる感も強め。
シフトもスコスコ入るけど、4速から5速にする時にHパターンの角に引っ掛かりがち。
サイドブレーキはサイドターンをするために手動なのがうれしいところですが、ちょっと効きが弱かったのは個体差か?
サイドブレーキの横にWRCホモロゲモデルのワッペンと、iMT、VSCオフ、アイドリングストップオフのスイッチが並ぶ。
で、このiMTがすごい!
今時のトヨタのマニュアル車に付いているiMTは、シフトダウン時に自動で回転合わせをしてくれるので、ヒールトゥーする必要がありません。
iMTのおかげで2速へのシフトダウンもスムーズでミスもないし、何なら1速でも回転を合わせてくれる。
ただ、初めは面白いのですが、体がMT車の操作を覚えてしまっておりシフトダウン時に勝手に足が動いてしまい、結局、自分で回転を合わせちゃうんですけどね。
クラッチはロードスターより重たく、GRヤリスからロードスターに乗りかえてクラッチを踏んだら、床を踏み抜きそうになる。
シフトレバー前方には、ドライブモードのスイッチ。
ノーマルモードはトルク配分60:40で足回りも硬めで十分スポーツなんですが、SPORTSモードにするとさらに足が絞まってトルク配分が30:70になり、FRっぽくオンザレールでコーナーを抜けられる。
TRACKモードにするとトルク配分が50:50になり、デフロックした4駆みたいに飄々と加速するのが体感できる。
床下にパンク修理キットと、バッテリーがこの位置にあるところもスポーツカーらしい。
借りる前から期待してましたが、車を借り受けて店から出た瞬間、とんでもないパフォーマンスを持ってることがわかる。
1.6Lターボエンジンは3気筒でも強烈な加速で0-100km/hが5秒台と、4LのV8ツインターボのS560とほぼ同じ加速力。
アクセル全開で「シュルルル」と過給音がしてブースト圧は1.5までかかり、アクセルオフで「プシュ!」とブローオフの音が気持ちいい。
ちなみに、スピードリミッターは190km/hらしい。
加速だけでなくブレーキもよく効いて、ABSもきめ細かく打ってくれる。
減速度が高いとハザードが高速点滅するのは、スポーツ走行時にはちょっと鬱陶しいかも。
普段、ロードスターに乗ってるせいか、ギヤ比は低く感じる。
2000回転以下ではトルクが細いので、2000~3000回転が常用域。
街乗りでロードスターでは60kmで5速ですが、GRヤリスは60kmで4速。
さすがに足回りは硬く路面の凹凸を結構拾うけど、しなやかに乗る車じゃないので全然OK。
今回、543km走って給油量は44.5L。燃費は12.2km/Lなので、車のキャラを考えると悪くはない。
GRヤリスRZも期待を上回る楽しい車で、買いたくなるぐらい良かったんですが、ただ、RZはゴリゴリのスポーツ過ぎて普段乗りするには足が硬くて疲れそうだし、高性能をなかなか発揮する機会がないのでフラストレーションが溜まる恐れも。
そういう面ではNA、CVTのRSでも足回りがしっかりしていて十分楽しい車なので、RSでもいいような気もする。
以前、GRヤリスRZを買った時の支払いシミュレーションをしましたが(記事)、もう一度RSでもしてみよう。