カーシェアでS660を借りてみたら、まさにカートのようで楽しすぎる!

 クルマ@レンタカー・カーシェア・代車

カーシェアのcarecoでホンダの軽オープンカー、S660を借りてみた。

BEAT以来のホンダのミッドシップの軽オープン。

グレードはマイチェン前のアルファ。

車を借りるにあたり保管している駐車場へ行くと、隣に止まっているランクル・プラドとの大きさが違いすぎて、まるで大人とこどものような。

まあ単独で見ても「小さいなぁ」と思ってしまうんですがね。

上背185cmで座高が1mに迫ろうとしている私にとって一番大きな問題は、運転席に入るかどうか

運転席に座れなければ、即座に利用終了の手続きをしなければなりません。

ちなみに、同じ軽のオープンカー、ダイハツ・コペンでは頭がはみ出してしまい、パーフェクトヒューマンのように首から曲げないと座れませんでした。。。

おそるおそるカートみたいに低い着座位置のシートに座ってみると・・・

 

入った!( ゚∀゚)

 

ソフトトップのおかげかもしれませんが、意外と頭上にスペースがあり、髪の毛が幌に触れることもなかった。

そうとなったら安心して出発!

全高が1,180mmに抑えられており、ミッドシップの効果でボンネットの前端も低い。

タイヤはADVAN NEOVA AD08Rで、駆動輪のリアは195/45の16インチですが・・・

フロントは165/55の15インチで、前後で異軽異サイズ。

NEOVA AD08Rといえば、特徴的なトレッドパターン。

ドアミラーの大きさに規制があるヨーロッパへは輸出されないので、ドアミラーが薄くてカッコいい。

ミラーが細くても意外と見やすく、見えにくくて困ることはありません。

リアもオープンカーらしい凸形のエンジンフードに、センター出しマフラーがスポーティー。

わナンバーとcarecoのステッカーがカーシェアの印。

3分割の小さなリアウインドウが付いているものの、左右のウインドウには保管場所標章や燃費と排ガス基準達成シール、さらにカーシェア用のカードリーダーでほぼ埋められている。

ただ、真ん中のウインドウは、運転席のパワーウインドウスイッチのREARツマミを操作すると・・・

ウインドウが開くという!

乗ってみないとわからないのですが、この小さな窓を開けることでエンジン音が堪能できてかなり気持ちよくなる。

ウインドウ下部には、コンビニフックも。

エンジンフードを開けてみます。

3気筒のターボエンジンは、N-BOX用のエンジンを反転させてミッドシップに搭載。

もちろんS660用にチューンされていますが、さすがに専用設計にはできなかったようで。

吸気用のエアダクトは助手席側のBピラーにあるのですが、ほとんど目立たない。

運転席側にもダクトはあるけれど、辿っていくとどうもブローオフバルブの音を拾っているような?

ラジエターはフロントに。

で、そのフロントですが、ボンネットを開けると・・・

スペースのほとんどが、横長の黒いプラスチックの箱で埋められている。

この箱はユーティリティボックスというそうですが・・・

ここに外した幌を収納します。

幌を付けた状態では本来は空っぽですが、カーシェアの標準装備の三停板やお掃除グッズが入っている。

S660の荷物を載せるスペースはここしかなく、A4サイズのファイルすら入りません。

しかも、ラジエターの後ろにあるのでかなり熱くなり、コンビニ弁当でも入れておけば温められるんじゃないの?と思うくらい。

もしオープンにして二人で乗るとボディーバッグを置く場所すらないほど積載性はゼロ。

幌を外すには、中央のロックを外して・・・

左右のロックレバーを解放すると・・・

幌が外れるので・・・

くるくると幌を丸めて、よっこいしょ!と幌を抱えて・・・

ユーティリティボックスへ収納します。

クローズにするには逆の手順を踏みますが、必ず車から降りなければならず、まあまあ面倒で手も汚れるので、ロードスターみたいに状況によって積極的に開け閉めはしないし、できないよなぁ。

幌を外してオープンにしてもロールバーやエンジンフードはそのままで、幌も黒いので見た目の変化は少ない。

けど、やっぱり幌がない方が格段にカッコいい。

個人的にはソフトトップのオープンカーは「屋根を閉めることができるオープンカーで、ハードトップのオープンカーは「屋根を開けることができるクーペ」だと思う。

真後ろから見ると、オープンもクローズも変化なし。

オープンでも窓を全部閉めたら風は入ってこないのですが、窓を開けると風の巻き込みがエグい。

スポーツカーらしくコックピット然としたドライバーズシートですが、一番の驚きはスペースに制約がある軽にして着座位置が自然で、ハンドルは体の真正面に。

軽といえば、アクセルペダルは左へオフセットされるのが常ですが、S660は足を自然に伸ばしたところにペダルがある。

インパネ右側に、ドアミラースイッチと赤いエンジンスタートボタン。

その下にトラクションコントロールと自動ブレーキのOFFスイッチがありますが、VSAのOFFはできない。

限界域の高いミッドシップですが、限界を超えてしまうと腕に覚えのある一般人では制御が困難なので、安全のためVSAはOFFにできなくしたらしい。

センターパネルは細く、ここは軽自動車を感じる。

AT車はN-BOXから流用したCVTで、ノーマルモードでは空走感は否めない。

シフトレバーの奥には電源ソケット。

一応、助手席側にグローブボックスもありますが・・・

高さも奥行きも狭く車検証ぐらいしか入らないところに、カーシェア用のキーボックスとマニュアルが入ってるので、ふたを閉めるのがかなり難しい。

メーターは、アナログのタコメーターの中央にデジタルのスピードメーターがあり、ノーマルモードではタコメーター左側に瞬間燃費が表示される。

メーター左側のSPORTモード切替ボタンを押すと・・・

メーターが赤く光り、瞬間燃費計がブースト計に。

ノーマルモードでは80km/hで約2100回転。

SPORTモードでは2800~3000回転。

非追尾のオートクルーズも付いてます。

100km/hでは、ノーマルモードで2600~2700回転。

SPORTモードでは3100回転。

ノーマルモードでは、至って普通の軽自動車の加速で楽しさも半減しますが、SPORTモードでは加速もペダルレスポンスも良くなり楽しく走れるので、基本、ずっとSPORTモードのままだった。

エンジンがN-BOXと同じだからかエンジンを掛けたら後ろから普通の軽のようなガチャガチャとしたエンジン音がしますが、走り出すとターボの吸気音とブローオフバルブの作動音がたまらなく心地いい!

低回転からブーストが立ち上がるので、ついアクセル開閉を繰り返し、まるで蒸気機関車みたいに「シュー、シュー」という音を奏でて萌えてしまう。

ただ、ホンダエンジンはとにかく回して楽しいのかと思いきや、5000回転を超えるとトルクがなくなってしまう。

ワインディングで2速で引っ張ると失速するので3速に上げると、これまた下のトルクがないので余計に失速してしまい、ちょうど2.5速が欲しくなる。

ブレーキは車重が軽いこともあってよく効きますが、ABSはちょっと粗いかな。

ハンドルを切るとサスがストロークしてロールを感じてから方向が変わるわかりやすい動きと、サスの動きがしなやかなので操作性が抜群によく、街中の交差点でもオン・ザ・レールの感覚でぐいぐい曲がってくれ、ライトウエイトスポーツの気持ち良さを堪能できる。

リア駆動なのでコーナーの立ち上がりで軽くパワースライドさせて曲がろうとしても、そもそもエンジンパワーがないので滑らせることが出来ないかわりに、少々ラフにアクセルを開けても、というか、いきなりベタ踏みしてもVSAが介入して挙動変化が少なく、高剛性のシャシーと相まってオン・ザ・レールのごとく曲がっていく。

落ち葉が路面に積もっている場所でわざと滑らせてみても電子制御のおかげで挙動が安定してコントロールしやすく、ヘタでもおつりをもらうこともない。

そんな走りがすこぶる楽しいS660ですが、シートが全然ダメ。

とりあえず脇腹を押さえるサポートはあるので致命的ではないけれど、お尻のサポートがないし、1〜2時間座るとお尻が痛くなる。

ガソリン残量の警告灯が点いてから給油したんですが、なんと21Lしか入っていない。

なんでこんな少ないの? もしかして何かの不具合?

と心配になり取説を読んだら、なんとタンク容量は25Lしかないという!

カーシェアなので出発した時点で満タンではなかったけれど、それでも実燃費はいいようで、普通に乗れば満タンで十分400kmぐらいは走れるんじゃないかと。

このS660、ダメなところは荷物が全く載らないことと、シートがダメなところの他に、運転席のパワーウインドウのスイッチがAUTOじゃないところ。

今どき運転席の窓を開閉するのにツマミ引きっぱなし or 押しっぱなしはないだろう。

そんな今どきのクルマには当たり前にある実用性を潔く割り切って、それが短所になったとしても、走る楽しみ、能力を使い切る楽しみだけを突き詰めた魅力の方が大きく上回っている。

今、ロードスターに乗ってるけど、少しS660にも乗ってみたいなぁと本気で思った。

カートに乗ってるような楽しさとブローオフのプシュプシュだけで、十分価値はあると思います。
そして、↑このエンブレムを見てふと思った。

うちのS560より100cc多いな!

 クルマ@レンタカー・カーシェア・代車

Posted by Hepporon