有田鉄道の跡地、有田川鉄道公園で鉄分補給 ~その1~
和歌山でラーメンを食べたあと(記事)、有田川町にある『有田川鉄道公園』で鉄分補給をすることに。
有田川鉄道公園は、かつてJR紀勢本線藤並駅から金屋口駅まで5.6kmを結んでいた有田鉄道が2003年に廃線となった後、有田鉄道金屋口駅付近の線路の一部を利用して整備されました。
昭和19年製造の蒸気機関車は戦時中に造られたため、それまでのD51より簡素化された部分も。
やっぱり蒸気機関車の魅力は、往復スライダークランク機構がむき出しなところ。
このクランクはいつまでも見てられる。
芝生広場を抜けると、有田川町鉄道交流館がある。
ここへは後で行くことに。
鉄道交流館の手前には、現役で使われていたのかどうかはわかりませんが、踏切がある。
金谷口駅から交流館前までの線路を使って、運転体験や乗車体験のイベントが行われています。
交流館の隣には、有田鉄道が廃止されるまで現役だったハイモ180-101が動態保存されている。
元々樽見鉄道で活躍してましたが、廃車後に有田鉄道へ譲渡された車両。
1984年(昭和59年)富士重工製のレールバス LE-CarIIの初期型で、前面窓の大型曲面1枚窓や行先表示方向幕とか・・・
折戸式の乗降扉やバックミラーの形状、引き違い式の側面窓などなど、至るところにバス用の部品が流用された様子がうかがえる。
形式は、樽見鉄道時代から変わっていないハイモ180-101。
樽見鉄道時代は水色の車体に赤と白のラインが描かれていましたが、有田鉄道では地元の名産、みかんをイメージしたような薄いオレンジの車体に赤と濃いオレンジのラインに変わりましたが、ラインのデザイン自体は樽見鉄道時代と変わっていない。
床下をのぞくと、バスのエンジンを転用した日産ディーゼル製のディーゼルエンジンが搭載されていますが、ものすごく清掃されていた。
比較的新しめのバッテリーや燃料タンクなど、床下機器がどれもきれい。
制動系のトラブルで自走はできないそうですが、モーターカー牽引で乗車体験をしています。
レールバスの萌えポイント、1軸ボギー台車。
この走行音をぜひとも聞いてみたい。
1軸なので「ダン、ダン」というんでしょうか?
ハイモ180-101の前には、保線用モーターカーDL-14とDL-113。
保線用なので、車両末端にポン付けしたようなボックスがあるのがいい。
ここから先へ進むには、有田川の堤防側へ出なければなりません。
金屋口駅構内にあった車両基地には、今でも色とりどりの車両が動態保存されている。
今ここで一番活躍しているだろう、DL-17モーターカー。
自走できない車両の乗車体験時の動力の他に、DL-17の運転体験もできる。
横から見ると、国鉄時代のディーゼル機関車の運転台からブツ切りにしたようなシルエット。
この日はDL-17牽引でワフ29500形(ワフ29603)の乗車体験が行なわれていました。
ワフ29500形は貨物室と車掌室を併設した貨車で、貨車に乗車体験とは一見地味ですが、今や動態保存されているのは非常に珍しいので乗る価値はある。
紀州鉄道で活躍していたキテツ1も、ここで動態保存されている。
国鉄時代の保線作業用モーターカーTMC200。
自走することができ、乗車体験時の動力としても活躍中。
ハイモ180-101とともに、有田鉄道廃止時まで現役だったキハ58003。
有田川鉄道公園開園時から自走による乗車体験が行なわれていましたが、現在はディーゼルエンジンが故障して自走ができなくなったという。
それでも、モーターカー牽引での乗車体験は続いていますが、ディーゼルエンジンの音とにおいと振動が感じられないのはちょっとさみしい。
キテツ1の奥の屋根付きの車庫には、D51 827が動態保存。
D51 827は、今では圧縮空気で自走して乗車体験もできる(乗車するのは機関車ではなく、機関車に牽引された車両)。
車両基地の奥には、金屋口駅が残されています。
金屋口駅の様子はその2で。