連続乗車券を使ってみる
今回の出張では、大阪から御殿場、大船、桜木町で下車、新横浜から新幹線で帰阪するこんなルートでした。
新大阪6:27 -(ひかり506号)→ 静岡8:31/8:35 -(東海道線914M)→ 沼津9:29/9:49 -(御殿場線2536G)→ 御殿場10:22/12:27 -(御殿場線2540M)→ 国府津13:13/13:17 -(東海道線848M)→ 大船13:46/16:10 -(根岸線1602C)→ 桜木町16:38/17:11-(根岸線1738C)→東神奈川17:18/17:24 -(横浜線1749K)→ 新横浜17:33/19:39-(のぞみ259号)→新大阪21:53
ここで、改札の出入りに合わせた、ごく普通の乗車券の買い方をすると・・・
新大阪→御殿場(新幹線・静岡・東海道・御殿場線経由):7,140円(451.1km)
御殿場→大船(御殿場線松田・国府津経由):1,110円(66.7km)
大船→桜木町:290円(19.7km)
桜木町→新横浜:160円(9.9km)
新横浜→新大阪:12,680円(EX-IC特急料金)
合計:21,380円
となります。
(桜木町からの帰路は特急料金を含めて比較するので、新横浜からのEX-IC指定席特急料金も入れて計算してます)
JRの運賃体系は距離が長くなるほどキロあたりの単価が安くなるので、運賃計算ルールに則った一筆書きのルートで行ける場合は、できるだけ距離を長くした方がお得。
まずは新大阪からのルートを単純に一筆書きしてみると・・・
新大阪→静岡→沼津→御殿場→国府津→大船→桜木町→東神奈川→新横浜
まで行ける。
これを図にしてみるとこんな感じ。
(青線:新幹線、緑線:在来線)
なので、新大阪→新横浜の片道乗車券(御殿場線経由)と、新横浜→新大阪の片道乗車券とすることが出来る。
もし新横浜→新大阪間でEX早特やぷらっとこだまなどの安い切符を使うのであれば、新大阪→新横浜間の片道分だけ買えばOK。
ただ、今回はのぞみで帰りたいので、もうひと工夫必要。
ここで、新幹線と並行在来線の運賃計算上のルールによると、新幹線と並行在来線は原則として同じ線とみなされるので、例えば新大阪-京都間を往路を在来線、復路を新幹線に乗ったとしてもキロ数は通算されず、行きと帰りの片道乗車券が2枚となる。
但し、一部例外があり、並行在来線に接続していない新幹線区間では別線扱いとするという決まりがある。(詳しくはこちら)
例えば、品川-小田原間は別線扱いされるので、横浜-(在来線)→品川-(新幹線)→小田原 の一筆書きが成立し、片道乗車券が発売される。
今回のルートに当てはめると、東海道線で国府津→大船、さらに横浜→東神奈川に乗ってますが、新幹線を使えば新横浜から小田原まで一筆書きを続けることができる。
(青線:新幹線、緑線:在来線)
これで小田原まで一筆書きを伸ばしました。
ここから先は新幹線と在来線は同じ線と扱われるので、これにて一筆書き終了・・・
ん?!
今回、行きは沼津から御殿場線を回って国府津へ出たので、まだ小田原は通ってない!
そのまま東海道線を下ると沼津まで行けてしまうんですが、ところがところが、三島-静岡間がまた特例で新幹線が別線扱いとなるので、静岡まで一筆書きが出来てしまうというカラクリ!
(青線:新幹線、緑線:在来線)
ここで静岡を2回通ることになり、長い一筆書きが終了。
一筆書き出来た区間の片道乗車券は
新大阪→静岡→沼津→御殿場→国府津→大船→桜木町→東神奈川→新横浜→静岡
となります。
残りの静岡→新大阪間は別途片道乗車券を買うことになりますが、これを片道乗車券2枚ではなく、連続乗車券にしてみた。
連続乗車券とは、片道でもなく往復でもない乗車券。(詳しくはこちら)
見た目は片道×2と同じなんですが、片道乗車券の区切り駅が目的地ではない切符、という感じ。
今回の場合、新大阪→静岡の大回り片道切符と静岡→新大阪の片道切符の2枚を買うこともできますが、新大阪→新大阪(新横浜経由)の1枚の乗車券を2枚に分けたイメージ。
(「2枚の切符を1枚とみなす」と言った方がわかりやすいかも)
同じ駅を2回通ると1枚の片道切符にはならないので、新大阪から新横浜を経由して静岡までを『1/2枚目』、残りの静岡から新大阪までを『2/2枚目』とする乗車券。
図にするとこんな感じ。
(青線:新幹線、緑線:在来線、オレンジ線:残り区間)
連続乗車券とするメリットは、有効期間がそれぞれの乗車券の有効日数の合算となること。
また、払い戻す時も1枚分の手数料で済む。
あとは学生さんが学割を使うときに片道切符2枚だと2枚の割引証が要るけれど、連続乗車券だと1枚だけでいい。
ということで、今回のルートを連続乗車券にした場合、
新大阪→静岡(新幹線・静岡・東海道・御殿場線・東海道・根岸線・東海道・横浜線・新横浜・新幹線経由):9,870円(699.2km)
静岡→新大阪:6,090円(372.4km)
新横浜→新大阪(e特急券):4,690円
合計:20,650円(-730円)
となり、乗車券の買い方を少し工夫することで730円安くなり、かつ、切符を買う回数も減らせる。
この乗車券をみどりの窓口で購入します。
口頭で伝えるには複雑なので、一応紙に書いて出しました。
あの~ちょっとややこしいんですけど、連続乗車券で、新大阪から静岡まで新幹線でぇ、そこから在来線で沼津まで行って・・・(中略)・・・新横浜から新幹線で静岡までと、静岡から新大阪まで。
窓口の駅員さんも、時刻表を見ながら順番にルートをたどって行きます。
すると、駅員さん
新横浜までは行けるけどそこから先は無理ちゃうかなぁ
いやいや、そこから先は特例区間で・・・ と釈迦に説法みたいなことはせず、とにかくいっぺん機械たたいてみてくださいな、とお願いする。
すると駅員さん、
あ、行けましたわ!
ということで、発券された連続乗車券。
(連続1)と(連続2)の2枚で1つの乗車券。
連続1の経由は
新大阪・新幹線・静岡・東海・御殿・東海・根岸線・東海・横浜線・新横浜・新幹・静岡
なんですが、経由を印刷するスペースがなくなってしまい、駅員さんが手書きで記入。
これを書いてもらわないと、新横浜から新幹線に乗れなくなってしまうかもしれないし。
さて、この連続乗車券を使って、まずは新大阪から新幹線へ。
e特急券と(連続1)の乗車券を2枚重ねて改札を通ってみたら、すんなり通れた。
新幹線改札の入場記録が入る。
静岡で在来線に乗り換え沼津へ向かい、ここで途中下車。
JR東海では途中下車する時も改札機を通れるので、沼津駅の改札機に(連続1)を通したところ・・・
ピンポ~ン
通れなかった。。。
有人改札で切符を見せ途中下車することを告げると、『大阪市内→静岡』の乗車券なので駅員さんから
これは静岡までの乗車券だから乗り越してますよ!
と言われる。
いやいやそうでなくて、経由のところよく見てくださいよ。
と伝えると、手でルートを書きながら
あ、これ横浜からぐるっと回るんですか!
こんな切符初めて見た!というような様子で、途中下車印を押してくれる。
その後、御殿場でも途中下車しようと有人改札を通ると、やはり駅員さんが乗車券を注視する。
経由を見てください
と告げ、駅員さんが頭の中でルートをたどり、理解したところで途中下車印を押してくれる。
その後、大船、桜木町で途中下車する度に同じようなやり取りをしなければならないので、結構めんどくさい!
JR東海とJR東日本では途中下車するときも改札機を通るので、券面に下車印を押してもらえるのも珍しいから、まあええか。
ところが、新横浜で途中下車するために乗車券を見せると、あっさり
そのままどうぞ~
と、通してくれる。
ちゃんと見たのか見てないのかよくわかりませんが、途中下車印もなし。
新横浜からは再び新幹線で新大阪へ。
ここでようやく(連続2)の出番!
新幹線改札の女性駅員さんに、新大阪までのe特急券と(連続1)(連続2)の3枚を差し出すと、???のような表情。
すると駅員さん、この3枚を重ねて改札機に通す。
当然、バーが開くことはなく、3枚とも出てくる。
もう一度乗車券を見るとようやく理解されたようで、入鋏済スタンプが押され無事通過。
新幹線の車内検札では特に何事もなく、特急券だけにスタンプが押される。
今回、連続乗車券を使ってみたんですが、プランを練ってみどりの窓口で買うところまではすごく楽しかったけど、これを実際に使うと、結構めんどくさいもんだな、と感じた次第です(笑)