名古屋→大阪 特急を使わずに近鉄電車で移動 ~その2~ 交通アクセスがいい秘境駅 西青山駅

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名古屋→大阪 特急を使わずに近鉄電車で移動 その1からのつづき

近鉄で名古屋から大阪へ戻る途中、西青山駅で下車。

少し広めで6両分の長さを持つ2面2線の相対式ホームには、人の姿はありません。

ここは1日の乗降人員が1人ということもあるくらい、近鉄にありながらの秘境駅。

前から来てみたいとは思ってたんですが、冬は寒いし、夏は虫が多そうなのでちょうどいい頃合いはないものかと思ってたら・・・

今やん!( ゚∀゚)

今ならまだ虫もいないだろうと思ったけど、すでに小さな虫は飛んでた。

春ですなぁ~

駅の東側には、全長5,652m、近鉄一長い新青山トンネル。

去年の大阪北部地震でブロック塀が倒壊して以降、既存のブロック塀は撤去されつつありますが、このホームにあるブロック塀は相応に朽ちていて、さらにブロックの基礎にヒビが入り隙間が広がっているのを見ると、いつ倒壊してもおかしくなさそう。

改札口からホームへ通じる階段付近には屋根がありますが、カメラが支柱に縛り付けられている。

カメラの先は、ホームを監視しているというより、壁に設置されている構内電話を向いているようでした。

こんな秘境駅にも喫煙コーナー&灰皿が。

ホームから改札口へ向かう階段と、さらに階段の外側には古いPC枕木が整然と並べられています。

改札口へ下りる階段は、階段幅の真ん中ぐらいの位置で封鎖。

利用客が少なすぎるにしても、なんでわざわざ半分封鎖するんだろ?と思ったんですが、もしかしたら封鎖するのが目的ではなく、単に現実的な位置に手すりを設置しただけなのかも。

むしろ、整然と並べてられた廃PC枕木の方が謎。

階段の下に見える小屋はトイレ。

洗面台には、小さなタンクの水を使っているので使用後はすぐにコックを閉めて下さい と貼り紙があるので、蛇口から配管をたどっていくと・・・

おお!小さなタンクがある!

この水は手洗い用で飲めない旨の貼り紙もあるので、水道は通っていないらしい。

建物をよく見ると、雨樋の水をドラム缶に受けてるし。

男子小用は便器ではなく、昭和の頃、駅でよく見たタイル貼りの壁に向かってするタイプ。

タイル面は乾ききってます。

大の方はもちろんボットン式。

今どきの子どもたちはボットン便所を知らないので、昭和を体験する社会見学にいいかも?!

こんな山の中で開放式のトイレだと、蜘蛛の巣は必ず付いてくるもんですが、この時期はまだ巣は貼られていないようで。

トイレも清掃されてきれいですけどね。

高架になっている線路の真下に改札口。

無人駅でICカードの簡易読み取り機だけが置いてある。

伊勢中川方面への1番線と、大阪方面の2番線はここで分かれます。

柵で仕切られた無駄に広いスペースが寂しい。

1番線側への階段も、半分封鎖されて手すりが設置されている。

一旦、改札の外へ出ますが、途中下車はできないので、ちゃんとPiTaPaをタッチ。

近鉄名古屋駅から、運賃1,450円也。

構内の壁に青山高原ハイキングコースの案内板があるので、休日にはハイカーで賑わうのかも。

短いコースで14km、長いコースで14.5kmだそうで。

駅舎は高架の桁下みたいな感じの外観。

建物と言うより構築物と言った方がしっくりくる駅舎。

脇の電話ボックスが味を出してますが、夏は入りたくないな。

以前は屋根の上に大きく「西青山駅」の文字が建っていたらしいのですが、今では撤去され、ここが駅だと示す看板はこれだけ。

かつて「西青山駅」の文字が建っていた場所はホームから見えるのですが、一文字ずつ基礎が残っていて、4文字分の基礎が並んでいる。

この基礎のそばにあるのは雨量計でしょうか?

さて、駅を出て正面に『東海自然歩道』と書かれた朽ちかけの看板が立っていますが、すでに全文の解読は不可能に。

階段の半分を埋める落ち葉と、上から生い茂る枝と枯れ籔に覆われ、まるで行く手を阻むよう。

そんな自然の様子と、きれいな青山高原の看板のミスマッチさが余計に不気味。

今でこそ枯草だけですが、これから夏になると籔で覆われるんでしょう。

ホームからは、枯草に覆われた階段を登って行った先の様子も見えるのですが、なんだかジブリの世界に吸い込まれそうな雰囲気。

この階段を上がった先の道は、新青山トンネルの完成で現在の新線に切り替えられる前に通っていた旧線跡だそうで、今でも単線分の幅の道が残されています。

この道をたどっていけば旧線にあった青山トンネル群の遺構に行けるそうですが、その様子を紹介してるサイトもありました。
(リンクは貼らないので見たい方はググってみてください)

駅舎から車1台分+αぐらいの幅の舗装路が伸びていて・・・

青山川を渡ると・・・

国道165号線に出ますが、民家など人の生活を感じるものはまったく見えない。

同じ青山でも、ランチが1600円してブランド化していると自称する住民がいるどこかの青山ではなく、ここ西青山ならたいていの施設なら住民の反対はなさそう。

そもそも住民いないし。

ただ、この国道は交通量もあり大型車も頻繁に通るので、その音と振動のせいもあり、秘境駅とはいえ人間社会と遠く隔離されたような雰囲気はありません。

国道からちょっと入れば駅なので、車でも行きやすいし。

駅舎に戻ると、掲示板いっぱいに貼られた案内と指名手配のポスター。

こんな人里離れた秘境駅こそ、指名手配犯が潜んでいる可能性も?!

もう一つここが秘境駅っぽくないのは、発着する列車が多いので、誰もいないところで虫に襲われながら何時間も次の列車を待つことがないからかも。

無人駅なので、用事があるときはインターホンで青山町駅に連絡できるらしい。

ウィキペディアには伊賀神戸駅へ連絡できると書かれてますが、その後青山町駅に変わったんですかね。

この駅にはエレベーターは設置されていないので、もし車いすで利用するときには青山町駅から駅員が迎えに来てくれるんでしょうか?

改札口も、車いすが通るにはちょっと狭いような気がする。

再び改札口を通るので、入場用の読み取り機にタッチ。

このあたりは ”特急街道” とも言われるように、特急列車が頻繁に通過します。

轟音を響かせ通過した特急列車は・・・

新青山トンネルに吸い込まれていく。

と思ったら、トンネルから出てきた特急が目の前を通過。

静寂の中、ホームに警告音が鳴ると特急列車が轟音とともに過ぎ去り、再び静寂に戻る様子。

中継信号機の動きもいい!

その後、反対側のホームには急行 宇治山田行き。

宇治山田行きがトンネルに吸い込まれ、入れ替わるようにトンネルから光が。

17:33発、急行 大阪上本町行きが到着。

もちろんこの列車に乗り込むのは私だけ。

滞在時間約30分、手軽に来れる秘境駅の西青山駅を発ちます。

その3へつづく

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