JALの整備場でエンブラエル170の整備の様子を見学

 乗り物@飛行機_国内線, おでかけ@大阪JAL

先日、大阪空港にあるJALの整備場で、飛行機の整備作業を見学させていただきました。

大阪空港のターミナルビルから1kmほど歩いたところにある『JALエンジニアリング 大阪航空機整備センター』へ。

見学に先立ち、JALの保有機材や整備の概要などの説明があり、ヘルメットをかぶって整備場へ。

ちょうどエンブラエル170(JA212J)の重整備中でしたが、flightradar24で見てみると、1/10に松山から2302便で大阪へ飛んできて整備入りしたようで。

今回は身元が割れた関係者向けの見学会ということで、バラした飛行機にさわれるところまで、何ならエンジンナセルの中に顔を突っ込めるところまで近づいて見せていただけました。

ただ、整備場内の写真撮影は個人利用に限りOKで、ネットへのアップはNGということなので整備場内の写真は使えませんが、代わりに以前空港で撮った写真で。

これは3年前に青森から大阪への帰路で乗ったエンブラエル190ですが、機体の窓をよく見ると、角を赤いカギカッコ「 」で囲われた窓(赤の①)があります。

この写真ではカギカッコマークだけですが、今はカギカッコと共に『CUT HERE IN EMERGENCY 緊急時、ここを破る』と書かれてあり、文字通り、緊急時に外からここを蹴破って機内に突入できるらしい。

例えばハイジャックとか。

「ということは、この部分だけ強度が弱くなってるんですか?」と質問したんですが、答えは書かないでおこう。

さらに機体をよく見ると、青の②→のような赤い線が描かれています。

これは、エンジン作動時にこの線からエンジン側に近づいてはいけないという印で「INGESTION HAZARD→」と書いてあり、エンジンに吸い込まれてしまうのを防ぐための立入禁止エリアを表してます。

エンジン作動中は、強い風が吹いていて「これぐらいならまだ耐えられそう!」みたいに近づくと徐々に風が強くなるのではなく、むしろエンジンの前は無風だけど、いきなり真空状態になったようにスン!と一瞬で体が浮いて引き込まれるらしい。

ナセルが取り外されたむき出しのエンジンはGE Aircraft Enginesのプレートが付いていて、MODEL NO. CF34 – 8C1, 8C5, 8D & 8E と書いてありました。

さらにUS PATENT NUMBERS の表にアメリカの特許番号が13個ほど書いてあり、珍しいなぁと思った次第。

もちろん MADE IN USA。

そして、緑の③の膨らんだ部分にはエアコンが入っており、ちょうどカバーが外されて太いパイプが通ったエアコンがむき出しの状態でした。

ちなみに、緊急時にここを破る場所ですが、反対側は機体後部にあります。

今回、胴体の下に潜って主脚も触れる距離で見てたんですが、旅客機のタイヤをまじまじと観察。

主脚カバーにはホイールナットのトルク、
PRE TORQUE 2660-2740 LBF IN (300-310 Nm)
FINAL TORQUE 760-785 LBF IN (87-89 Nm)
と書いてあり、さすが締め付けトルクがすごい!

また、MAIN TIRE INFLATION PRESSURE には A/C ON GROUND 146 +0/-10 PSI (USE NITROGEN ONLY) と記されてました。

窒素を10barも充填するとは、これまたすごい!!

機体後部にある水平尾翼には水平安定板の役割があり、自動で尾翼全体を動かして機体を水平に保っていますが、尾翼の付け根には目盛があり(赤丸内)、コクピットの計器表示と実際のトリム角度が合致しているかどうかが目視で確認できるようになっている。

「何回かフライトしたら決まって汚れるところとか傷むところってありますか?」と質問してみたところ、必ず汚れるのはトイレのバキューム排出口らしい。

今時の飛行機はトイレの水を流すと「ジュコッ」と音がして吸い込まれていきますが、汚物はタンクに貯まって空気だけ機外に排出される仕組みになってるけれど、わずかに汚物も一緒に排出されてしまうらしく、排出口が汚れるんだとか。

航空検定1級のオタクにとってはかなりの栄養補給になりました。ありがとうございます。

こういう使命感のある仕事っていいなぁと思ったり。

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Posted by 管理人