空へまっすぐ伸びる線路 妙見ケーブルに乗る~その1~
大阪の最北部、兵庫県との県境にそびえる妙見山。
その妙見山の山頂にある『能勢妙見宮』への参拝者輸送を担うのが、能勢電鉄が運営する妙見ケーブル。
能勢電鉄は今でこそニュータウンの通勤通学輸送がメインみたいになってるけど、元々は能勢妙見宮へのアクセス線として開業しました。
妙見ケーブルは正式には『能勢電鉄鋼索線』というけれど、国交省発行の鉄道要覧には名前がなく、時刻表や乗換案内ソフトにも載ってない隠れた路線だったり。
実は2008年の春、この辺にぷら~っとドライブがてら来た時には運休してました。
冬期は運休してるので要注意。
写真ではわかりにくいけど、このケーブルの線路を下から見ると、麓から急激に傾斜角度を変えてまっすぐ山の頂に伸びる線路がすごく綺麗。
ずっと乗りたいと思ってたところ、今回平日に休みが取れたこともあり、夏休みで暇してた次男坊を連れて妙見ケーブルに乗りました。
妙見ケーブルへは能勢電鉄で妙見口まで行き、そこから20分ほど歩いたところにのりばがあります。
ただ、この夏の猛暑の中を20分歩くのはつらいので、家から直接クルマでケーブルのりばへ乗り付け(笑)
ケーブルのりば前に駐車場もあります。
駐車料金1回500円。
券売機で往復のきっぷを購入。
大人540円、小児280円。
小児半額ではありません。
塗装がきれいなので新しいのかと思いきや、昭和35年製の50歳。
ナニワ工機製っちゅーところが萌えますな!
駅舎の外には『妙見ケーブルのりば』としか書かれてないけど、実はここ、『黒川』という立派な駅名が付いとります。
この『黒』の字体も昭和感満点。
途中から、ぐにゃ~といった感じで上に反り返ってます。
まるで、銀河鉄道999の地球から宇宙へ出発する時の線路みたい。
この弧線、何とも言えない美しさがあります。
ケーブルカーの車内は傾斜に合わせて階段状になっているため、床は水平になります。
ところが、ここのケーブルカーは途中で勾配が極端に変わる影響でしょうか、勾配のゆるい麓の駅では、床がちょっと前のめりに傾いてます。
窓の向こうに見える階段の角度と、窓枠の角度が違うでしょ?
車内を歩くと、つんのめったようになってちょっと変な感じに。
さて、私と息子だけを乗せて出発。
勾配がきつくなると、向こうから山を下る列車がやってきます。
ケーブルカーのレール幅はJR在来線と同じ1067mmの狭軌が一般的ですが、妙見ケーブルは親会社の阪急の影響からか、新幹線と同じ1435mmの標準軌。
線路脇の勾配票が示すは424パーミル。
1000メートル進むと424メートル上がるという意味なので、角度で言うと・・・
え~っと、角度をθラジアンとしてぇ、arctan(パーミル/1000)だからぁ・・・
てな計算をしなくても、Googleで
arctan(424/1000) を度で
と入れて検索ボタンを押せば、Google電卓が計算してくれます。
便利な世の中になったねぇ~
一応ここはケーブル山上駅ですが、本当の妙見山上へはさらに登っていかなくてはなりません。