新型ノートe-POWERに試乗
ノートe-POWERの12ヶ月点検を受けてる間(記事)、営業さんから「新しいノートe-POWERの試乗しません?」と誘っていただいたので、試乗することに。
試乗した感想は、素晴らしいパッケージとモーターのフィーリングをなんで全部捨てちゃったんでしょう、みたいな。
まずフロントバンパーのデザインがヘンテコになってしまい、どうして下部グリルを黒くしてしまったんだろう?
日産がアイデンティティにしているVモーショングリルがバンパー下部まで大きくえぐれてるにも関わらず、一番肝心なVの折り返しの部分を黒くしちゃったので、メッキ加飾のVの上の部分との一体感がなくなってしまってる。
キックスみたいに全部メッキ加飾しなかったのは、コストダウンのため?
試乗車の赤だとあまり目立ちませんが、ショールームの青い色だとバンパーの下がえぐられた感じになり、まるでプラレールの電動車のようにフレームに車体をかぶせたみたいに。
営業マンもこのデザインには声を揃えて「なんで?」と言うたそうで。
今はまだNISMOバージョンは出てないけど、もしかしてNISMOでカラー化するつもり?
リアのデザインはコンパクトハッチにしては珍しく、立体感のあるセンターガーニッシュ付きで、車格以上の雰囲気がある。
室内で特徴的なのは、上下2段になっているセンターコンソール。
アームレストが付いたのはうれしい。
下段はボックスティッシュも入りそうな大きなトレイに。
ただ、助手席と物理的に遮られてしまっているので、若い女性も乗る機会が多いこのクラスの車でこの囲まれ感は賛否あるかも。
個人的に一番残念だったのは、リアシートのフットスペースがかなり狭くなってしまったところ。
私のシートポジションに合わせた運転席の後ろに私が座ると、完全に膝が前席に当たってしまい少し押してしまうほど。
先代ノートは見た目に寄らずリアシートが広いのが特徴で、同じようにシートポジションを合わせて後席に座っても膝前には空間があったのに。
全長が先代より5cm短くなりましたが、それ以上にリアの足元が狭くなり居住性が悪くなってしまった。
全長4mクラスの車では競合車もこんなもんですが、先代の長所だったところがなくなり、その他大勢の並の車になってしまった。
もしかして、プラットホームがルノー・ルーテシアと共通になった影響なのかもしれない。
インパネは大きな液晶モニターが2つ並んでいて、メーターは完全にデジタル化。
スイッチ類も上質になっており、あまりあれこれいじってないけど操作感も良さそう。
ただ、運転席に座った瞬間に違和感が!
ハンドルが体の正面にはなく少し右にずれている。
軽とかミニバンではハンドルが体の真正面にない車もありますが、ここまで明らかにずれてるのは珍しい。
特に、スカイアクティブ以降のマツダ車に乗ってると、体とハンドルとペダルの位置関係に気付きやすいと思う。
e-POWERの魅力は、モーターならではの発進からの力強い加速とワンペダル走行でしたが、新型はモーターの加速感をあえて抑えてるような感じ。
もちろん踏めばモーターらしい加速はするけれど、普通に走ると普通のガソリン車のような少しとろくさいところもあり、他車から乗り換えても違和感がないようにしてるのかも。
ただ、後席の居住性と同じく特徴をなくした分、その他大勢の中に埋もれてしまっている。
また、先代で日産があれだけ推してたワンペダル走行も停止ができなくなり、アクセルオフで減速しても最後はブレーキペダルを踏まないと止まれなくなった。
渋滞でワンペダル走行はかなり楽だったのに、この辺も普通の車になってしまったようで。
足回りも、先代のゴツゴツさがなくなり、しなやかな感じに。
試乗レベルではコーナー性能までは確認できなかったけど、これは好みの問題かもしれない。
プロパイロットはいい動きをしていて、レーンキープも一般道でもそこそこのカーブも追従してくれるし、加減速も違和感ない。
車自体の質感は先代より上がってはいるものの、一番のネックは値段でしょう。
いくらe-POWERとはいえ、このクラスでコミコミで300万円を超えるのはどうかと。
営業マンも値段を抑えたガソリン車が欲しいと言ってるし。
試乗後、新型どうです?と聞いてきましたが、
ん~ なしやな。
と伝えました。