人だけでなく貨物輸送も多い『道南いさりび鉄道』に乗る
木古内駅から道南いさりび鉄道に乗って函館まで行くつもりでしたが、発車時刻を勘違いしてしまい乗り遅れてしまいした(記事)
函館で一泊して朝には函館を発つ予定なんですが、その前に乗りそびれた道南いさりび鉄道に少しでも乗れないかと時刻表をめくってみると・・・
函館からの始発は6:50発の木古内行きで、木古内着が7:54。
この時間に木古内にいると、どう頑張っても函館を発つ予定時刻には間に合わないので、木古内までは行けません。
そこで、帰りの列車も勘案しながら見ていると、どうやら上磯駅なら往復できそう。
という訳で、早起きして道南いさりび鉄道の始発に乗ることに。
改札の脇に券売機があり、上磯までの切符を買う。
道南いさりび鉄道は全列車五稜郭からJR函館本線を経て函館まで乗り入れており、運賃を別々に計算すると函館〜五稜郭が250円、五稜郭〜上磯が310円で合計560円になりますが、乗継割引が適用されており430円と割引率高め。
ホームには、ほぼ黒に見える深深緑のキハ40。
北海道の夏の森をイメージしてるんだとか。
車内は両端部がロングシート、中央部がクロスシートですが、なんと国鉄時代のブルーのモケットじゃないか!
シートフレームや肘掛けの色と形状、シートの触感とフカフカ感が私が知ってる国鉄時代そのもので、これだけでテンション上がってしまう。
運転台も国鉄っぽい雰囲気があり、ワンマン用の機器が取り付けられているだけで割とシンプル。
国鉄時代の車両に後付けの機器がたくさん並んだ結果、パノラミックウインドウの視界を遮ってる車両もありますが、こちらはちゃんと視界も確保。
乗降ドア上部の路線図には、木古内までの新幹線ルートも載っている。
車内にはトイレ使用中に点灯する便所使用知らせ灯がありますが、これテプラで貼ってるやん。
酷寒の北海道らしく窓は二重窓になっており寒さ対策。
内窓は断熱目的なせいか、外窓よりは軽く上がる。
外窓の窓枠に「天気が良い日は函館山が見えます」という観光案内的なシールが貼られてますが、でもこれ、内窓を閉めたら見えなくなるけど。
窓枠に取り付けられている指定席用の座席番号表示の材質やフォントも国鉄時代のまま。
扇風機は撤去され、代わりにファンを設置。
夏が短い北海道だからか、冷房はありません。
函館駅を発車すると、長いホームにかつての繁栄ぶりを感じたり。
次の五稜郭駅は、長編成の貨物列車で賑わう。
五稜郭駅を出発するとJR函館本線から分かれ、道南いさりび鉄道線へ。
函館を出た時は背後にあった函館山が、函館湾に沿って走って行くうちに左手に見えてくる。
陽光に当たると、夏の森をイメージした深深緑さがよくわかる。
小学生の頃の絵の具に入ってたビリジアンみたいな色やな。
木古内行きの列車が発車したら貨物列車も発車しましたが、EH800機関車といい、コキからの金属音といい迫力あるわ!
上磯駅は、木古内方面は島式ホームの2番線、3番線、並行して上磯始発の列車が折り返しをする単式ホームの1番線がある。
再び駅舎へ戻ろうと階段を上がろうとしたら、階段がすごいサビサビ。
券売機の料金表を見ると、1000円で1日券もあるみたい。
木古内から五稜郭まで片道乗り通して980円なので、少なくとも往復するか途中駅で降りないとペイしない。
記念に1日券を買うのもいいんですが、今回は素直に函館までの切符を買う。
7:29、函館行きの列車が入線。
前日に木古内から乗りそびれたのとは別のやまぶき色じゃないか!
この時初めて気づいたけど、もしかして車体横のラインって函館山のシルエットなの?
国鉄時代の車両だと日本国有鉄道の銘板が残っていることもありますが、この車両は道南いさりび鉄道に付け替えられていた。
扉が内側に開くようになっており、ステンレス製?の和式。
昔の新幹線でも採用されていた青い循環水で流す水洗タイプ。
こちらはオリジナルフォントの便所使用知らせ燈。
灯じゃなく「燈」の字なのがいい。
5人の乗客を乗せ上磯駅を発車。
途中、乗ってくる人も多く、再び五稜郭駅へ。
8:02、函館駅に到着。
道南いさりび鉄道は単なる並行在来線が第三セクター化された路線ではなく、北海道と本州との貨物輸送にも大きな役割を担っていることがよくわかった。
ただ、新幹線が札幌まで開業したら、函館へ来る人の流れも変わってしまうかもしれませんね。