津軽半島の北のはずれ、竜飛崎へ行く
青森県の大きな2つの半島のうち、下北半島の最北端である大間崎へは行きましたが(記事)、もうひとつの半島、津軽半島の最北端、竜飛崎へ行ってみた。
石碑に「風の岬」と書かれているようにいつも強風が吹いているようで、風力発電の風車もたくさんある。
竜飛崎灯台駐車場からは、地球が丸く感じるほどに水平線が見渡せる。
駐車場の上にはドコモ龍飛崎無線局と、頭頂部しか見えてませんが龍飛埼灯台。
灯台方面へ遊歩道が伸びてますが、この日は鎖で閉鎖されていたので行けず。
立ってるのもやっと、ヘタすりゃ風で飛ばされそうになるくらいで、台風中継してる気分。
吉田松陰先生詩碑と書いてある。
詩碑に何か書いてありましたが、ちょっと読めなかった。
今から99年前の大正11年、この地を訪れた桂月が詠んだ詩。
石碑には、桂月の紀行文から龍飛岬を記した部分を抜粋して刻まれていますが、これが今読んでもわかりやすい。
概して我国の太平洋に面する海岸は砂浜の連続なるが、日本海に面する海岸は断崖の連続也。その日本海に面する本州の海岸の北に尽きむとする処、小泊岬よりその特徴を発揮して、その全く尽くる処、茲に龍飛岬となりて、北に突出す。頂上は草の山にて、望楼の跡あり、手を伸ばさば、北海道の山も攫み得られむとす。福山の市街も判然と見ゆ。後を見れば、高原的の低山波涛の如くに連り、右に小泊岬、左に恐山半島、四方の眺望開けたり。見下す千仞の断崖の下、一大盤石横はり、中間に一条の吉井水道ありて、偉大なる巌の帯島に連る。西風強き日とて、巨涛日本海より押寄せ、怒って龍飛岬を打ち、帯島を打ち、幾個の小岩島を一と呑みにす。余波大盤石の上に躍る。津軽海峡の方よりも小波押寄せて、日本海の波と闘ふ。龍飛岬下の大盤石は、唯西波と東波との戦場也。龍飛岬は常に波高きが、最も高き時は四五丈に及ぶと聞く。余が遊びし時は一二丈の高さなりしが、それにしても壮観也。殊に大盤石の上の波と波との戦闘は、天下無双の奇観也。
北海道も見えますが、あちらは雲がかかっており、こちら側の海は大きく白波が舞うほどの強風が吹く。
碑の丘からの360度の景色。
風が強すぎて、風力発電のプロペラが見たことのない速さで回ってるし。
灯台駐車場から、少し下にある駐車場へ下りると、灯台がちょっと見えるように。
津軽海峡の向こうは函館あたりでしょうか、雨が降ってるのがよくわかる。
海の方向の景色。
ちなみに、灯台駐車場へ行く道は細くなってますが、もし道の左側に水たまりがあった場合、これが意外と深いのでご注意を。
1日6便ありますが、現実的に利用できるのは3便と4便でしょうか。
津軽海峡冬景色の歌謡碑もありますが、ここはセンサーで勝手に曲が流れることはなく、スイッチを押したら流れます。
津軽半島冬景色で「竜飛岬が北のはずれ」と広まってしまったせいで竜飛岬が有名になり、真の最北端である大間崎の影が薄くなってしまったのはいたたまれないと思っていたんですが、竜飛崎は船越英一郎が出てきそうな断崖絶壁なので見晴らしが良く、大間崎よりも絶景で映えが効くので人気なのもわかるような。
とにかく風が強い竜飛崎でした。