トヨタレンタカーでクラウンを借りたら予想以上に楽しくてビックリ!
トヨタレンタカーでクラウンを借りました。
2018年6月にモデルチェンジした15代目、S22型のガソリン車。
先代よりも”角”が多く、尖がったデザイン。
一般的にモデルチェンジごとに車は大きくなりますが、クラウンは全幅1,800mmという縛りがあるので先代クラウンと幅は同じ。
一説によると、銀座の駐車場に入れるのが全幅1,800mmまでだから、クラウンはこれを超えてはならないという不文律があるとかないとか。
全幅は変わってないけれど全長は15mm長い4,910mmになり、ホイールベースは70mmも延長されたためか、かなり細長い見た目に。
今はやりのクーペのようなファストバックスタイルと6ライトウインドゥ。
クラウンといえばゴルフバッグが4つ入る積載性が売りですが、やはり開口部が小さいせいか上から入れるのは無理そうで、後方から押し込む感じに。
ただ、手が届かないぐらい奥行きはあるので、ゴルフバッグ4つは積めそう。
クラウンといえば、後部座席に企業の重役を乗せる機会も多いのですが、足元は狭くはないけど広くもない。
ホイールベースが長くなったので足元も広くなったのかと思ったら、あまりその恩恵を感じられず。
6ライトウインドゥも着座位置より後ろにあり、さらに太いピラーがあるので、外から見るほど開放感はない。
レンタカーで使われるグレードということもありシート地はファブリックですが・・・
ただ、自発光式のメーターの文字がぼんやり浮いて見えてちょっと気持ち悪い。
なんで浮いて見えるのかと思ったら針より文字盤の方が手前にあるようで、この配置だと針先が文字に隠れてしまい、見やすさから言えばいかがなものかと?
走行時の表示だと、針ががっつり文字の後ろに隠れてしまう。
60km/hで追尾クルコンをセットして巡航すると、エンジンは1750回転ぐらい。
レンタカー用のグレードですがHUDも装備されていて、個人的にはかなりうれしい。
HUDの中にエンジン回転数の情報は要るのかどうか。
ウインカーの作動音もさすがにクラウンクラスになると、トヨタのコンパクトカーみたいな「ピッコンピッコン」ではなく、少し軽めではありますがクリック音。
先代クラウンの印象は残しつつ、インパネ上までがっつり2画面になったセンターモニター。
タッチパネルで操作できるのは下画面のみ。
シフトゲートは、トヨタが好きなゲート式ではなくなった。
ブレーキホールドはボタンを押さないと作動しないのは国産車共通。
ドリンクホルダーは、ゴルフのカップのように丸い穴が2つ開いたような形になってしまい、四角い容器は入らない。
オーバーヘッドコンソールにはサングラスが入れられ、SOSボタンも付いている。
クラウンは日本車では珍しく伝統的にオルガンペダル。
気持ち左へオフセットしてますが、違和感はありません。
エンジンは直4、2Lターボで245ps/350N・mと、スペックだけ見ると今どきの高出力エンジンに比べると大人しめ。
もう「クラウンといえば直6」というのは過去の話。
ボンネットフードの根元側には、アクティブボンネット用のモジュールらしきものが。
歩行者と衝突した時にボンネットフードを持ち上げて、安全性を高めます。
タイヤは215/55R17のTOYO、PROXES R47。
さてさて、クラウンといえばおしざんグルマ、いや、今やクラウンオーナーの平均年齢が70歳を超えている現実からするとおじいちゃん御用達のクルマと言ってもいいくらいですが、やはりクラウンはのっぺりふわふわ、特にリアを上下にふにゃふにゃさせて走るイメージをしてました。
が!
レンタカー屋から少し走っただけで、その先入観は激変。
しなやかなのにコシがあり、まっすぐでもフラフラせず、かつ、思い通りによく曲がる足回りがすごく良くてビックリ!
このクラウンはニュルブルクリンクで開発したそうですが、今までのクラウンは何だったんだ?と思うくらい全く別の車になっていて、いい意味でトヨタらしくない乗り味。
新型クラウンのキャッチコピーは『TOYOTA史上、最高に楽しいクルマ』ですが、あながち間違ってないと思う。
思わず「なんじゃこりゃ」と言うてもうたし。
足回りは最高ですが、やっぱりエンジンは直4らしい音と振動があり、アクセルを踏んでも「ん?」という間があってから反応する。
このスローレスポンスなところは、ずっとクラウンを乗り継いでいるおじいちゃんオーナーへの配慮なんでしょうか?
ゼロ発進では、2500回転ぐらいまではかなりもっさりしていて、そこから回転が立ち上がりますが、トルクの出方は扱いやすい。
ブレーキは初期の「ガツン」とした制動がなく少し柔らかい感はあるけど、きっちり止まってくれる。
ただ、ABSのアクチュエータの効き方が、ドイツ車のような「ダダダダダ」ときめ細かい制御ではなく、「ダン、ダン、ダン、ダン」と間隔が粗くて、ブレーキペダルから押し返す力も強め。
トヨタは、国産車では自動ブレーキを搭載したのは遅く、あまり出来もよろしくなかったのですが、今のセイフティーセンスはすごくいい。
追尾クルコンが180km/hまで設定できるのには驚いたけど。
走行モードが3種類あり、ECOはかなりもっさりした走り、NORMALにすると特に違和感なくなり、さらにSPORTにするとかなり楽しくなる!
タッチパネルを操作してSPORTにすると排気音が変わるんですが、これがなんだか人工的な感じで、リアのスピーカーから音を出してるんじゃないかと。
動画で音が変化する様子を撮ろうとしたけど、ようわからんな。
でも、扱いやすいエンジンといい足回りなので、特に上りのワインディングがすんごく楽しい。
VSCやTRCなどの制御も邪魔しない程度に入り、コーナーリング中に滑り始める手前で軽めにTRCが細やかに利いてうまくスライドを抑えつつ前に進んでくれ、トルクが切られて前に進まない”お仕置きモード”にならないのがうれしい。
シートのホールド性は悪くはないけれど、もう少しサイドボルスターが高い方がいいかな。
あまりに楽しかったので、近くのワインディングを何往復かしてしまったほど。
この車はクラウンにしておくのはもったいないと思ったり。
トヨタの社長が「クラウン購入者の平均年齢を下げたい」と、ゼロクラウンの時と同じことを言ってたけど、若い人に500万円の車を買えなんて無理なこと言うより、おじいちゃんが買わないようにすれば平均年齢はグッと下がるんじゃない?