現存する日本最古のロープウェイ『吉野ロープウェイ』に乗る
大阪阿部野橋から近鉄の観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」で吉野までやってきました。
吉野へは青の交響曲に乗るために来たのでこの後はただ帰るだけですが、帰りの列車まで時間があるし、せっかく吉野まで来たので『吉野ロープウェイ』に乗ることに。
吉野ロープウェイ乗り場へ。
「ケーブルのりば」と書いてありますが、いわゆるケーブルカーではなくロープウェイ。
片道だと大人450円ですが、往復は800円と片道ずつ買うより100円安くなります(【ゆき】の乗車券は回収されてしまいました)。
吉野ロープウェイは、吉野でロープウェイと路線バスを走らせている「吉野大峯ケーブル自動車」が運行しています。
千本口駅の駅名標は、地方自治体の職員が使いがちなPOP体フォント。
桜の名所の吉野らしく、桜の柄が描かれたゴンドラは「さくら号」の名前付き。
ただこのゴンドラ、外から見ても底部が斜めになっているように、ゴンドラ内の天井や窓も斜めになっていて、床は麓側に一段だけ段差があります。
一般的にはロープウェイのゴンドラ内は水平になっていますが、このロープウェイができた昭和初期はまだ懸吊技術が未熟だったこともありこのような構造になっているらしい。
実際に乗り込んでみると、大人一人乗っただけでゴンドラが大きく揺れ、ゴンドラの上側と下側にそれぞれ4人掛けのイスに座る時も、できるだけ上と下でバランスを取って座るようにスタッフの方から促される。
千本口駅を出発し、山を上がっていきます。
ゴンドラを降りる時は外側のドアから出てプラットホームの階段を上って行きましたが・・・
中央にもプラットホームがあり、ゴンドラに乗る時は真ん中から乗るという乗降分離ができる構造。
桜の時期はかなり混雑するようだし、こうして利用客をさばいてるんでしょうね。
ロープの巻き取り機が少し見えており、ロープから垂れた油が直撃しないようガードされています。
時刻表をチェックすると、15分間隔での運行。
乗ってきたゴンドラをやり過ごし、次の便で戻ることに。
吉野山の観光案内図を見ると、吉野山駅から桜の名所の上千本や奥千本まで結構距離があり、ハイキングのつもりで来ないとダメなようで。
あまり時間もないので、駅の近くから山を眺める。
桜の時期はきれいなんでしょうね。
駅へ戻りやって来たゴンドラは、もみじ号かと思ったらかえで号だった。
乗る時は中央のプラットホームから。
昭和3年に建設された当時のままの支柱は、細かく斜交いが入った構造。
珍しく戦時中の金属供出も免れたため建設当時のまま現存しており、よく見ると基礎やリベット止めなど時代を感じる構造。
吉野山駅から山を下りますが、ゴンドラを上下させる曳索やバランスを取る平衡索の取り付け位置が、ゴンドラの懸吊装置の少し低いところに接続されており、ゴンドラの現在位置によってロープが通る場所が上下に大きく動き、滑車の上をロープが通っていると思ったら滑車から離れて通ったりもしていてオタク的にはとても面白い。
現存する中で最古のロープウェイですが、装置や構造物をよく見ると他ではあまり見ない造りで、オタクの栄養補給にはもってこいでした。