世界文化遺産の軍艦島へ行く ~その2~ 軍艦島上陸

 スイーツ@九州, おでかけ@九州ご当地スイーツ,再訪したい,長崎_20221102,長崎県

世界文化遺産の軍艦島へ行く その1からのつづき

軍艦島コンシェルジュの軍艦島上陸ツアーに参加し、長崎港から軍艦島までやってきました。


ここでまっすぐ上陸はせず、一旦西側へ回ります。

島の北側には、窓が大きく取られ採光性のいい端島小中学校と端島病院の建物。

端島小中学校の建物越しに向こう側の明かりが見え、寂しさすら感じたり。

西側から軍艦島を望む。

軍艦島に近づいて、海から建物を見ます。

ガイドさんが建物の説明をしてくれますが、ガイドさんの音声は著作権に関係してくると注意されたので声を隠してます。

コンクリート造りの建物の中に崩壊した木造家屋が見えますが、ここにお寺があったらしい。

船は桟橋のある島の東側へ。

軍艦島の外側に残っている詰込桟橋橋台に釣り人が上がってましたが、なんだかシーランド公国のミニチュア版みたい(ちなみに、私はシーランド公国の伯爵です)。

まるで天守閣のように島の高台にそびえる建物は幹部職員の住宅で、当時としては珍しい内風呂も備わっていたという。

軍艦島ミュージアムで見た旧島民のインタビュー動画の中で、抗夫としては役に立たないから雑用係を命ぜられ、この幹部住宅の風呂場の電球を交換したときに幹部夫人から冷やかしを受けた話なんかもありました。

その右側に端島神社の祠も見える。

いよいよ軍艦島の桟橋に接岸。

上陸時は絶対に手には何も持たないよう注意されます。

上陸する瞬間を撮影したい気持ちもわかりますが、過去、注意を守らずにスマホを海に落とした人がいたらしいので、手ぶら上陸を遵守。

上陸後、まずは第1見学広場に集められ、ガイドさんの話を聞く。

奥に見えるのが端島小中学校の校舎と崩落した体育館。

炭鉱関連施設はほとんど残ってませんが、石炭を運ぶベルトコンベアーの支柱だけが整然と並んでる。

南米にこんな感じの遺跡がありそう。

接岸時に見た幹部住宅はすごい高台にあり、エレベーターはないので「地獄段」と呼ばれる階段でこの高さまで上っていたそうで。

横浜あたりでこんな感じの崖の上に建ってるマンションよく見ますね。

島の一番高いところにあるコンクリートの壁みたいなものは貯水槽。

元々の端島はこの崖の部分だったそうですが、その後6回埋め立て拡張され現在の形に。

第1見学広場の次に第2見学広場へ行くと総合事務所跡がありますが、ちょうどこの時補修工事中で足場が組まれ、風呂はシートが掛けられて中が見えなかった。

サビサビのモーターからも時間の経過を感じる。

雲一つない青空に、縄張りを侵す人間を監視するように大型の猛禽類が旋回してる。

白い灯台は、軍艦島が無人島になってから設置されました。

第二竪抗へ入る桟橋の階段が露わになってますが、足跡なのか黒んずんでいるところとそうでないところが見てわかる。

階段を上った先で入坑前の持ち物検査を受け、エレベーターで地中へ送られたそうです。

第3見学広場へ移動する途中にある建物は、総合事務所へ通ずる会議室。

日の加減によっては中も少し見える。

炭鉱で使う器具類を作っていた仕上工場(左)と、その奥の30号棟(右)。

ちょうど島の南端部分にあります。

沖合の孤島でも携帯の電波が飛んでるのスゴ!

この30号棟は、100年以上前の1916年(大正5年)に建てられた日本最古の鉄筋コンクリート造のアパート。

鉄筋コンクリート造の建物の寿命は60年と言われてますが、経年劣化で朽ちていく様子をリアルに見せてくれる貴重な存在。

軍艦島ミュージアムに、1916年に建てられて間もない頃の写真がありました。

1955年(昭和30年)前後の写真も。

干されている洗濯物が生活感あるわー

軍艦島ミュージアムには30号棟の模型も展示されており、完成した当初の様子や・・・

ここで暮らしている様子も再現されており、夫婦喧嘩してる家の隣の部屋では寝込んでいる人も。

6畳1間の部屋に実際に上がって写真を撮れるセットもあります。

カラーテレビがあるので、閉山間近の頃でしょうか。

ただ、住環境としては決して良くはなく、低層階は日中でも日が当たらなかったり、落下式の共同トイレは海が時化ると逆流したこともあるようで。

2021年時点の朽ちた模型もありますが、劣化が激しく保存工事もできないので現在進行形で劣化が進んでおり、2022年時点ではこの模型よりもさらに崩壊箇所が増えてます。

特に、赤矢印の部分は2022年10月まで辛うじて天井が残ってましたが、まさに上陸ツアーでガイド中に目の前で崩落しました。

その時の様子がTwitterにアップされてます。

なので、次に来た時には様子が変わっているかもしれません。

軍艦島の南端にあったプールには瓦礫がたまってますが、その隙間からわずかにプールだった頃の面影をうかがえる。

島を周りをコンクリートの護岸がぐるりと囲ってますが、コンクリートの中には建設当時の石積みの護岸が隠れてます。

石灰と赤土を凝固材として石を積んだ天川という長崎特有の護岸が、世界文化遺産の構成要素となっています。

ただ、長年の自然の力はコンクリートも破壊するほどの威力。

島内には破壊された護岸が打ち上げられている。

1時間弱の上陸時間も終わり、第3見学広場から第1見学広場へ戻ります。

第1見学広場へ戻ったら、スーパープレミアムの人から乗船。

軍艦島を離れたら、船内で軍艦島上陸のスタンプカードが配られる。

なんか昭和のおもちゃっぽいフォント。

裏にスタンプが押され、3つ集めたら4回目に乗船無料になるらしい。

ガンショーくんのかすてらあいすの船内販売もはじまったので、1つ買ってみた。300円也(税込)。

薄くスライスしたカステラでバニラアイスをサンド。

カステラの甘さとアイスの味わいがマッチ。

長崎港へ戻ってくると、小高い山の斜面に民家と山頂に大きなマンションが建ち、なんだか現代版の軍艦島っぽい。

日本で最初に鉄筋コンクリートの高層アパートが建ち、炭鉱で働く人や家族が生活する街が狭い島に造られて世界一の人口密度で繁栄しましたが、炭鉱が閉山されて無人島になって以降、手付かずの建物が朽ちていく姿に栄枯盛衰を感じる。

ただ、軍艦島の場合は朽ちていく姿を見にくる観光客で、2周目の栄えターンにもなってます。

私は高層団地の鍵っ子だったので、軍艦島の子供たちのように団地の屋上や階段で遊んだし、狭い公園で野球もしたし、軍艦島の写真と自分の子供時代がオーバーラップもしたりして、かなり楽しいツアーでした。