想像を超える見た目と美味しさのメニュー 『廃墟カフェ RUINS』@兵庫・三田
兵庫県は三田市、国道173号線沿いにあるカフェ『廃墟カフェRUINS(ルーインズ)』。
え、廃墟?!(;゜0゜)
お店の説明によると、戦後しばらくこの地域は医者がいない無医村だったそうで、昭和26年に医師を誘致し建てられたのが「大久保医院」。
ところが、昭和44年に大久保医院の大久保先生が亡くなってから後継者が現れず廃院になってしまい、そのまま放置されて廃墟と化すことに。
普通なら廃墟と化した廃病院なんて、心霊スポットとして一般には敬遠され、一部のヤンキーが冷やかしに集まりスプレーで落書きされたりしがちですが、なんと地元の有志の方々はこの廃墟を資産と考え、カフェとして再生させたという珍しい歴史を持っています。
今では、昭和26年に建てられたのでそれなりの古びた雰囲気はあれど、廃病院の不気味さはありません。
道路に面した建物の正面に病院時代の入口がありますが、カフェの入口はここではなく・・・
駐車場は入口奥ではなく、建物を右へ回り込んだ裏に。
ただ、地元の客は「かめへん、かめへん!」と言い、お構いなしに奥へ止めてましたが。
店に入り席へ行こうとすると、古い建物だからか低い梁が行く手を塞ぐ。
頭上ご注意!!と書いてありますが、私にとってはもはや顔にご注意。
今回は二人でそれぞれコースになっているランチメニューをオーダー。
訪問したのは5月でしたが、5月は山菜祭りということで、どの料理にも山菜が入っています。
まずはランチについている季節の前菜。
菜の花の辛子和え、新玉ねぎのマリネ、たけのこのバターソテー。
どれも美味しいのですが、特に菜の花はお気に入り。
次にソラマメのポタージュと、地元三田産の野菜を使った季節のサラダ。
ソラマメのポタージュは、少し青味のある豆乳みたいな味わい。
ランチメニューのメインディッシュ、合鴨と山菜の抹茶味噌ピッツァ。1,700円也(税別)。
抹茶ソースのピザなんて初めて食べましたが、柔らかい合鴨とともにすんげー美味しい。
和の食材を使いつつピザに仕立てるという発想もいい。
もうひとつのメインディッシュ、(二人で別々のメインディッシュを頼んだので、1つのランチメニューに2つのメインがある訳ではありません)RUINSオムライス~モンサンミッシェル風~。1,700円也。
オムライス、思てたんのと違う!(;゜0゜)
というくらい、想像とはかけ離れた見た目で、これのどこがオムライス?と思ったりもしますが、まるでメレンゲ仕立てのようにふわっふわのたまごスポンジの下にライスが隠れていて、確かにオム+ライスになっている。
店の名前が付いているメニューだけにこだわりが強く、山菜と大きなホタテが丸ごと入った和風餡かけは、ホタテの出汁がいい仕事をしていてすごく美味しい。
割烹の締めで出てきそうなぐらいの和食のオムライス。
餡とタマゴでモンサンミシェルを表現してるのかと思ったら、きめ細かいメレンゲのようなオムレツのことを指してるそうで。
もうひとつ、名物メニューを単品でオーダーしたのが、伝説の・・・幻のタマゴサンド。980円也。
全国で流行っている厚焼きたまごのサンドイッチの元祖、京都「コロナ」のタマゴサンドのレシピを再現し、この店独自のアレンジを加えたというタマゴサンド。
(コロナは惜しまれつつ閉店してしまいました)
卵4個をふんだんに使い重量感のある厚焼きたまごは、ぷるぷるすぎて手で普通に持つとたまご焼きが崩れてこぼれ落ちてしまうので、フォークを刺していただくという。
たまごはほんのり甘く優しい味わいで、これは病みつきになってしまうほどウマい。
ちなみに、トイレの洗面台が変わった形をしていて、一瞬、どうやって水を出すのか、どうやって水が出てくるのかがわからなくなりましたが、上のレバーを倒すと・・・
思てた出方と違う!(;゜0゜)
これはおしゃレベルの高い洗面台ですな。
廃墟を蘇らせるのはいろんな困難があったと容易に想像でき、特に昭和26年建築の木造家屋を今の基準で飲食店として使うにはかなりの改修工事が必要だったと思いますが、それを乗り越えて他にはないメニューを創り出すエネルギーを感じる廃墟カフェでした。
廃墟カフェ RUINS(ルーインズ)
兵庫県三田市四ツ辻620-5
営業時間: 11:00~17:00(LO.16:30、ランチメニューは14:30まで)(木曜定休)