津山まなびの鉄道館へ行く ~その1~ 扇形機関車庫

 おでかけ@大阪岡山県

岡山県は津山市の玄関口、JR津山駅に隣接したところにある津山まなびの鉄道館へ行ってみた。


元々、津山駅構内にあった扇形機関車庫をリニューアルした展示施設。

入館料300円を払うと、入館券は硬券の入場券風で鋏も入る。

入ってすぐのところに、C57 68号機の動輪が展示してあり、大きさを体感できる。

直径1m75cmあり、日本で最も大きい動輪なんだとか。

1972年10月14日の鉄道100周年記念の銘板も。

ここのメインは、日本で二番目の規模を誇る扇形機関車庫と転車台、それと静態保存されている車両なので、ひとつずつ見ていきます。

キハ33形(キハ33 1001)。

地方ローカル線でよく見るNDCシリーズのような正面デザインですが、元々、新造されたものではなく、オハ50系客車に運転席とエンジンを付けて気動車に改造した車両。

しかも、車両の両端に別の車両の運転台をくっつけたものではなく、客車をそのまま使っている珍しい形式。

新造するよりも余った客車を改造する方が安上がりだろうと思ったけど、いざやってみると予想以上に改造箇所が多く、それほどコストダウンにならなかったので造られたのは2両のみ。

それでも、22年も運用されてました。

前面排障器とスノープラウも装備され、正面から見ると元々客車だった面影がない。

キハ181形(キハ181 12)。

非電化区間の大出力特急用車両として、勾配のきつい路線を中心に全国で活躍しました。

搭載されているディーゼルエンジンは3万ccターボのバンク角180度V型12気筒で、500馬力を発生しますが、ただ、熱対策に苦労したらしい。

気動車は電車とは違った進化の歴史があって面白い。

裾が絞られた形状と、尾灯とタイフォンが納められたケースが立体的でカッコいい。

キハ58形(キハ58 563)。

急行用気動車として全国で活躍しており、”急行型”といえば電車ではなくむしろこちらを思い浮かべるほど。

蒸気機関車を置き換えるために大量に造られ、当時の鉄道の高速化に貢献。

排障器はないものの、線路に積もった雪を左側に排出するスノープラウが取り付けられている。

通常の制御用のジャンパ連結器以外に、冷房関係のジャンパ連結器が多い。

キハ28形(キハ28 2329)。

キハ58形は走行用エンジンが2基搭載されていますが、キハ28形はキハ58形のエンジンが1基になったバージョン。

なので、見た目はほとんど同じ。

キハ52形(キハ52 115)。

一般用気動車であるキハ20形のエンジンを2基搭載したバージョンで、勾配線区で活躍しました。

今でも千葉県のいすみ鉄道で、観光急行列車として現役。

この片開きのドアもいいのですが、いかんせん扇形機関車庫の中には入れないので、横から見られないのが残念。

ここで唯一保存されている蒸気機関車、D51 2。

機関車庫に入れないので、D51初期型の特徴である「なめくじ」や、蒸気機関車の魅力のひとつ、動輪の往復スライダークランク機構を横から見ることができないという、展示の魅力半減。

元々、交通科学館で展示されてました。

DF50 18 ディーゼル機関車。

DF50といえば、個人的には日豊本線の非電化区間で寝台列車を牽引していた印象が強い。

蒸気機関車の無煙化のため造られましたが、当時の技術では蒸気機関車より出力が低く、完全な置き換えは果たせなかったという悲しい機関車。

DD13 638 ディーゼル機関車。

ヤード構内で貨物入換用の機関車でしたが、この機関車で使われた技術と経験が、後のDD51に生かされたという。

少し小さめの車体と丸い前照灯が相まって、正面から見るととても愛らしくかわいい表情を見せる。

この機関車も、以前は交通科学館で展示されていた。

DD15 30 ディーゼル機関車。

除雪用のディーゼル機関車で、大型の除雪器と前照灯がカエルみたいな表情を出してますが、やはり機関車庫内には入れないので正面からだと除雪器に遮られ、肝心の機関車がほとんど見えないという。

解説案内の写真も正面からなので、知らない人が見たら機関車がないように思われやしないかと。

除雪器から生えている連結器が鎖でぶらさがってるようで、なかなかいかつい。

DD51 1187 ディーゼル機関車。

国鉄が誇った大型ディーゼル機関車の名機で、日本全国で蒸気機関車を置き換えて活躍しました。

これは斜め横から見ることができますが、客車も貨物も両方引ける実力を持つ姿はやっぱりかっこいい。

10t貨車移動機。

これは機関車ではなく機械扱いなので鉄道車両ではありませんが、構内で貨車を移動させるのに使われていました。

動力源はディーゼルエンジンで、速度は遅いけど牽引力が大きい。

前面に虎柄の警戒色が施されているところも、構内作業用に特化した点が伺える。

DE50 1 ディーゼル機関車。

日本のディーゼル機関車の雄、DD51とDE10を合わせたような日本で唯一の5動軸の本線用ディーゼル機関車で、マニアにはたまらない栄養源。

DE50が日本でここだけしか現存していないのは、製造されたのがこの1両だけだったから。

81400ccのV16エンジンは、2000馬力を出すハイパワーな機関車でしたが、オイルショックで量産が中止されたというありがちな末路を辿った悲しい機関車。

機関車庫内には入れないので、前からのぞきこんで辛うじて側面が見えますが、”DE”の形式名の通りセミセンターキャブの形を見るならやっぱり横から見なければなりません。

DD16 304 ディーゼル機関車。

線路の地盤が弱い路線向けに造られたディーゼル機関車で、DE10よりもさらに短くした構造が特徴ですが、やはり中には入れないので一番の特徴が見学できないという。

保線用?のかわいい機械もありました。

扇形機関車庫に展示してある車両を正面から見るだけじゃなく、構造が特徴的な車両もたくさん展示されているので・・・

やっぱり中に入って横から見ないとなぁ。

じゃないと、せっかくの「まなびの」鉄道館なのに、展示車両の魅力が半分も伝わらないかと。

機関車はこれくらいにして、別の展示室へ行ってみます。

その2へつづく

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