2022年1月1日
あけましておめでとうございます。
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯を浮かべ、
馬の口とらへて老いを迎ふる者は、
日々旅にして旅を栖(すみか)とす。
古人も多く旅に死せるあり。
(現代語訳)
月日は永遠の旅人であり、来ては過ぎゆく年もまた旅人のようなものである。
川を行き交う舟の上で人生をおくる船頭、馬の口をつかまえて老いを迎える馬借などは、毎日が旅であり、旅をすみかとしている。
旅の途上で死んだ者も多い。
というのは、松尾芭蕉の「奥の細道」の冒頭部分。
人生を旅に例えた言葉ですが、去年、東北へ旅行して思いもよらずに東北が好きになり、一方、東日本大震災の生々しい爪跡を直接見て自然の驚異とともに命の儚さと尊さを感じると、明日にはどうなっているかわからない、まさに人生は旅のようだと思った次第。
最近はディベート能力に優れた青年が人気ですが、世の中が大きく変化する時代には、常識を疑ってかかる柔軟な発想も必要で、世の中は白か黒かで割り切れる物ではなく、正論が常に正解であるとも限らないし、その正論も時代とともに変わるもの。
そんな時代の変化をいち早く感じているのが、これらの青年たちなんでしょう。
そういう青年たちの言葉を聴いてると、目の前にある小さな正解にとらわれて大きな正解を見失ったり、人生経験が邪魔をして古い「べき論」でしかものが言えないおじさん連中が目立って仕方がない。
こんなおじさんたちは「老害予備軍」と言ってもよく、早々に旅路から脱落するのでしょう。
私も、老害と言われぬよう温故知新を実践しながらも勇往邁進な一年になると思いますが、皆様におかれましては生命力に溢れ成長に適するという壬寅の春を迎えられますことを念願し、画面の向こう側からで大変恐縮ですが、変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます<(_ _)>