消えゆく『ひかりレールスター』に乗る
3月17日にJRのダイヤ改正がありますが、新幹線では初代のぞみ300系や2階建て新幹線の元祖100系が引退します。
そんな往年の名車の引退が大きく目立ってますが、次のダイヤ改正で、ひっとり消えつつある列車があります。
それが、ひかりレールスター
JR西日本が大阪-博多間の航空機に対抗するため、700系をベースに設備を充実させた車輌(E編成)。
指定席は2列×2列配置のグリーン車並のシート、パソコン用の大きなテーブルと電源、4人用コンパートメントなど、利用客のニーズをうまくくみとり人気を博してます。
絶頂期はのぞみより先に指定席が売れてしまい、指定席は常に混んでました。
なので、仕事の成り行きでキップを買おうとしても、なかなか席が取れなかったことも。
ところが、設備の充実したレールスターと最新最速のN700系のいいところを合わせた九州新幹線用のN700系S編成・R編成がデビューすると、対航空機の役割もだんだんと移ってしまう。
N700系の増備が進むに連れ700系ひかりレールスターがN700系のひかりやさくらに置き換わり、今やひかりレールスターは1日2往復のみ。
押し出されるように700系E編成は、こだまで運用されるように。
そこへ来てダイヤ改正。
1日2往復のひかりレールスターは、改正後は博多発新大阪行きの上り1本のみに激減。
ほとんど消えかけのひかりレールスターですが、この1本もいつまで残るかわからない状態。
そこで、本当になくなってしまう前に、ひかりレールスターに乗ることに。
EX予約で5号車の指定席を確保。
列車名に『ひかりRS 559号』と書かれてますが、このRSがレールスターのこと。
駅の案内板でも、普通のひかりとひかりレールスターは区別されています。
ダイヤ改正以降、ここに『ひかり 博多』の文字が入ることはなくなってしまう。
しかも、ヘッドレストカバーには、RailStarのロゴが刺繍されている。
車輌末端の座席は、パソコン用の電源と大型テーブルを備えたオフィスシート。
8号車の新大阪寄りは4人用のコンパートメント。
上と下が空いたパーテーションで区切ったようになってるので、完全な個室ではありません。
すでにひかりレールスターからこだまとして使われる機会が多くなってますが、こだまの場合はこだまレールスターとはならないようで、ただの『こだま』。
100系と300系が引退したら、山陽こだまは500系と700系レールスターに。
レールスターはこだまの時は8号車だけが指定席で、1~7号車は自由席。
ところが、はじめから自由席車だった1~3号車は2列×3列配置。
元々、自由席と指定席で座席グレードに差を付けてたのに、こだま化によって指定席車が自由席になった4~7号車との間で、同じ自由席同士で座席グレードに差が付いてしまう。
そらみんないい方の席に座るわな。
とは言うものの、元指定席座席は肘掛けが固定されてるけど、3列シートの肘掛けを跳ね上げればあぐらをかいて座れるし、人気がないので空いてるし、考えようによってはいいかも。
山陽こだまの主役の500系も700系レールスターも、元々コンセプトを明確にしてデビューし人気を博しましたが、第一線から離脱すると、そのクセの強さが仇になってるようで。
近い将来ひかりレールスターがなくなってしまうのは間違いのないところでしょうが、その後を継いだN700系も人気なので、まだ報われてるのかも。