ホンダDio(AF27)のキックペダル固着修理
嫁さんが乗ってる原付バイク、2代目ホンダDio。
AF27スーパーディオと呼ばれてるやつです。
会社にいた私の元へ、こいつのエンジンが掛からなくなったとメールが来ました。
詳しい状況がわからないので、ひとまずプラグを買って帰ることに。
帰宅して聞いてみると、どうやらエンジンを掛けようとキックするけどキックペダルが戻ってこないらしい。
このスーパーディオ、新車からすでに14年が経っており、バッテリーはとっくにアガってしまってるのでキックでエンジンを掛けてます。
実際に診断してみると、確かにキックペダルが下がったままで戻ってきません。
足で戻しながら掛けてみても、エンジンは掛からない。
念のためガソリンタンクのキャップを開けて、目視でガソリンが入っていることをチェック。
ガソリンなんて入ってるに決まってるヤン!
と思いつつも、結構トラブルの原因はガス欠だったということもよくある話。
キックすると一応クランクは回ってる感触があり、また、マフラーから生ガスのにおいがしてるので、これはこの頃のホンダ車に多かったキックのドリブンギアの固着か、駆動系のトラブルであろうと推測。
クランクケースカバーを外してみることに。
翌日にもDioに乗るので、すでに夜8時を過ぎていますが修理に取り掛かります。
ただ、暗くなってから原チャリをバラしてると怪しまれるので、次男坊を助手に付けました(笑)
子どもが一緒なら、「あ、修理してるんやな」と、思ってもらえるかと。
新車で買ってから一度も開けていないであろうクランクケース。
こりゃ、ちょっと苦労するやろな~
と思ってたら、ホントに苦労したよ。
この当時のホンダのスクーターは、クランクケースカバーが前後2分割になってます。
私はヤマハ派だったので、いじりにくいホンダ車は嫌だったなぁ。
スズキ車はもっと嫌だったけど。
このAF27も、クランクケースカバーを外すのに、エアクリーナーカバーも外さなければならないという煩わしさ。
リア側のカバーを外してみれば、クラッチの外周がサビサビ!
次にフロント側のカバーを外そうとしたら・・・ 全くピクリともしない。
カッチカチに固まってしまってるし。
ちなみに上の写真ではキックペダルを外してますが、AF27ではペダルを外す必要はありません。
実は、私が原付をいじってた頃はずっとヤマハ車だったんですが、ヤマハ車はクランクケースカバーにさらにプラスチックのカバーが付いていて、このカバーのカバーを外すのにキックペダルを外す必要があったのでクセになってしまい、今回もついついキックペダルを外しちゃった次第です(笑)
さて、フロント側のカバーですが、プラハンマーで叩いてもビクともしないし、マイナスの貫通ドライバーでこじてもダメ。
どうしたもんかと考えた結果、リア側カバーとの間の防水ゴムパッキンを外すと、なんとかマイナスドライバーでこじれそうな段差があったので、ここを叩くことに。
バイクが地面にあるとクランクの下から叩けないので、少し段差のある芝生の植え込みに乗り上げて作業します。
(なので、上の写真の地面が芝生なんですわ)
フロント側カバーの向かって右下の角、ちょうど写真の赤い矢印の方向にマイナスの貫通ドライバーを当てて、ドライバーのお尻を叩いてみたら・・・
グラッ!
ちょっと隙間が開いたので、ここから順番にこじてようやく取り外しに成功!
プーリーフェースもサビサビ (/□\*).
ここで、手でクラッチアウターを回してみたら、リアタイヤも回る。
ベルトを回してみたら、クランクも回りピストンが動いている感触があるので、やはりピストンが焼けたのではないみたい。
キック機構が付いてるフロント側のクランクケースカバー。
ベルトカスで真っ黒。
さらにスピンドルギアも錆びちゃってるし、こりゃ固着しない方が不思議なくらい。
魔法の潤滑剤CRC-556を染みこませたウエスでカスを拭き取り、さらにスピンドルギアとドリブンギアに556を軽く吹きつけ。
大量に556を吹きつけると、ベルトやプーリーフェースに油が飛んじゃって走行不能に陥る可能性があるので、あくまで軽く吹きつける程度に。
すると、なんということでしょう!(ビフォーアフター風)
キックしたら動かなくなってたペダルが、手で動かせるくらいに滑らかになったじゃありませんか!
これで、足の悪いおばあちゃんも大喜び。
これで元通り組んでいこうとしたところ、ベルトのカスで真っ黒になったセルのピニオンギアが目に入る。
今は全くセルモーターは使ってないにせよ、これはあまりにひどすぎるので掃除することに。
外してみたら、中までカスがびっしり付いちゃってるし。
これもウエスで拭き取り、軽く556を吹いておきました。
セルのピニオンギアが入ってたところは、錆びがクランクケースにこびりついてます。
さすがにこれはウエスでは取れず、金ブラシが必要。
セルのギアもサビて朽ち果てそうな勢い。
本当はここでプーリーをバラしてウエイトローラーやベルトの交換、クラッチのスプリング類もオーバーホールしたかったけど、今回は部品がないので出来なかった。
さて、元通りに組んでキックしてみると、前につんのめってしまいそうな程に滑らかに動くように。
ちょっとキックし続けると、エンジンも掛かりました。
ただ、プラグがカブってたみたいで、白煙をもうもうと出てる。
しばらく暖気したら、スムーズに回るようになりました。
やっぱりキックのドリブンギア固着が原因だったみたい。
これにて一件落着!
ただ、帰りがけにホームセンターで買ったプラグは要らなかった・・・