メルセデス・ベンツS560はこんな車
S560はもうすぐ売却しますが、最後にどんな車かをご紹介。
世界のベンチマークになっているFセグメントの量産車だけに、細かいところまで凝ったギミックが満載ですが、とても全部は紹介できないので一部だけ。
W140のSクラスの正常進化版のような顔つきがお気に入り。
最近はボンネットマスコットが付いた車がめっきり少なくなり、メルセデス・ベンツでもグリルにでっかいエンブレムが付いたアバンギャルドなスタイルがほとんどなので、今や希少な存在。
今はもう慣れましたが、最初に乗った時は車の長さだけでなく、ボンネットの長さも感じて「デカッ!」と言うたような。
全長約5.3m、ホイルベースも3m以上ありますが、意外と小回りが効く。
フロントヘッドライトの3本シグネチャーと同じように、リアのテールランプも3本ライン。
フロントもリアも全てLEDですが、パッ!と点いてパッと消えるのが魅力のLEDなのに、あえてじわ~っと点いてじわ~っと消えるのがとてもいい。
ヘッドライトはエンジンが掛かっている時に点灯していて、エンジンOFFでヘッドライトがゆっくり消えてポジションのみ点灯、ドアロックするとハザードが点滅してから一瞬青くなり、再度スモールが点灯してゆっくり消えます。
そして、ドアロックを解除するとポジションが点き、エンジンONでヘッドライトが点灯します。
リアは3本のテールランプが上から順番に消える。
もちろんドアミラーから地面を照らしたり、ドアノブにも遅延照明付き。
全周モニター用のカメラは、サイド用は左右ドアミラー下と、フロントカメラはグリル内に埋まっており必要に応じてピコッと出てくる。
リアカメラはナンバープレートの上部に隠れていて、これも必要に応じて出てくる。
フロントシートは座面が大きく、背が低いと足がフロアに付かないほど。
座面はフラットですが、場所によってクッションの硬さが違っており、シートバックのランバーサポートの大きさも調整できるので、サポート性はいい。
コーナーリング時に遠心力が掛かると、外側のランバーサポートが膨らんで体を押えてくれるのはかなりビビった。
メルセデス・ベンツの電動シートの操作スイッチがドアに付いてるのは伝統。
S560は運転席から助手席のシートも全操作できます。
もちろん運転席、助手席ともにマッサージ機能があり、運転中の眠気覚ましにちょうどいい。
現行(W223)Sクラスはメーターのディスプレイがタブレットポン置きみたいになってますが、やっぱりフードは欲しいよな。
センターのエアコン吹出し口とアナログ時計。
左右吹出し口にそれぞれ風量調整のツマミがありますが、このツマミ、機械的に風量調整してるのではなくデジタル的な入力デバイスのようで、ツマミを回すと一呼吸してから風がやんわり止まったり、やんわり出たり。
アナログ時計も高級車のシンボル的な存在だけでなく、エンジンを掛けなくても時間がわかるし実用面でも便利でしたが、新しいSクラスにアナログ時計がなくなってしまったのは残念。
また、新しいSクラスは大きなディスプレイのタッチパネルになってしまったけど、やっぱり物理的な入力デバイスの方が便利。
慣れたらノールックでも操作できるのに。
エアコンの吹出し口は、なぜかモニターの前にもあるのがすごい。
アームレストの中でワイヤレス充電ができるんですが、ここに置いて充電するのはいいけどアームレストを閉めると車を降りる時に置き忘れてしまうし、アームレスト閉めてその上にスマホを置くと、モバイルSuicaが起動してしまうという。
サンバイザーに鏡と照明も付いてますが、照明はサンバイザーじゃなく天井側にあったり。
ルームランプは全て電球色のLEDで、これもぼんやり点いてじわっと消える。
ルームミラーにスポットライトが埋め込まれていたり。
ルームランプの点灯・消灯の様子。
サンルーフはグラストップで、ルーフ幅いっぱいのガラスが上に開くので、開口部も大きい。
ルーフの開口部の前面にネットがせり出すんですが、なんか結構白くなってるな。
全ドア、スカッフプレートのMercedes-Benzの文字が光る。
ロングボディーなので、後席の広さは文句のつけようがありません。
運転席に私が座りその真後ろに私が座っても、膝元はかなり余裕。
普通の人なら足が組めるぐらい広いのですが、その代わり、前席から後席に置いたカバンを取ろうとしても手が届かない。
左右リアシートのヘッドレストにはふかふかの枕も付いており、これがなかなか心地いい。
枕は取り外して洗うこともできます。
リアシートのリクライニングを戻すところ。
一応5人乗りなので後席中央にもシートベルトとヘッドレストがありますが、センターの電動ヘッドレストのスイッチはヘッドレストに付いている。
ただ、リアシートの中央部は座面が硬く、センターアームレストにもたれるので座りが悪く、あくまで短時間の非常用のような扱い。
アームレストは倒しておくと左右に快適に座れるので、実用面では4人乗り。
リアシートとリアウインドウの間にも大きなダッシュボードがあり、アンビエントライトとオーディオの大きなスピーカーが埋まってる。
4ゾーンのエアコンなので、リアエアコンも左右別々に設定できる。
吹出し口はセンターと、左右のBピラーにもあります。
後席にも左右のリアウインドウスイッチがあり、さらにルーフの電動サンシェードも操作でき・・・
サンシェードを開けるとかなり開放的に。
天井は「日」のようなフレーム構造のようで。
真ん中のフレームの左右に、後席用の鏡と照明が埋まってるところがVIPを乗せる車らしい。
ルームランプも光らせたら結構明るい。
もちろんリアも電球色のLED。
S560ロングはホイルベースが長いけどオーバーハングも長いので、踏切とか駐車場などで下を擦らないようにしたり、コンビニの駐車場でフロントから突っ込んだ時に車止めに当たらないようにする時に、エアサスで車高を上げます。
サイドのガラスは厚めの遮音ガラスで、ガラス中央が凹んでいてガラスを閉めるとドアと噛んで密閉性アップ。
トランクはボディーサイズにしては、それほど大きくない。
リアシートが電動リクライニングなのでトランクスルーはできず、ゴルフバッグは2個が限界。
フロアボードの下にも収納スペースがあり、応急キットが置いてある。
一緒に、自分でパンク修理するためのキットも積んでます。
フロントタイヤは245/45R19、MO承認のコンチネンタル製。
14000kmごとに交換しなくてはならず、まるで消しゴムのように減る。
リアは275/40R19。新車から一度も交換せずに乗り切った。
4L、V8ツインターボエンジンは、カバーで覆われ全く見えず。
このエンジンから、高速なら最大トルクの700N・mは出せるけど、馬力は240kW(326馬力)ぐらいが出せる限界。
MAX馬力の345kW(469馬力)まで出すには5300回転まで回さなあかんのですが、そうなると余裕で制限速度を超えてしまうので。
シフトをマニュアルモードにして低いギアで引っ張っても、リミッターに当たると強制的にシフトアップするし。
ちなみに、日産GT-R NISMOの最大トルクが652N・mなので、それよりデカいトルクを後ろタイヤ2本で受けたら、そらタイヤも減るわ。
時速60kmからでもアクセルを一気に踏み込むとホイルスピンしてトラクションコントロールが作動してしまうので、自然と頭文字Dの高橋啓介みたいに繊細なアクセルコントロールができるようになります。
これでもまだまだ取り上げていない細かな機能が満載で、さすがはSクラス。
例えば、セレクターダイアルが選択肢分しか回らなかったり、エンジンを止めてもオーディオは切れず、ドアを開けてOFFになるとか。
こういう細かな配慮のひとつひとつに、高級車なんだなぁと実感する。
ただ、そんなSクラスでも4年経つとくたびれ感もなくはない。
一番は、ヘッドライトのカバー表面が荒れてきたこと。
カバーが変質してるのか、もしかしたらボディーのコーティング剤が付着してこれ劣化してるかもしれませんが。
まあ、輸入車はメーカー保証が切れると、故障や修理による出費も覚悟しておかねばならないでしょう。
それがゆえ、今回4年で売却することを決めたので。