旧国鉄広尾線、愛国駅へ行く
昭和の頃、縁起がいいと特にカップルの間でブームになった「愛国駅から幸福駅」への片道切符。
今は廃止されましたが旧国鉄広尾線にあった愛国駅と2駅隣の幸福駅は、小学生の頃に愛読してた種村直樹の著書にもよく出てたので気にはなってましたが、未だ観光地として訪れる人も多いようなので行ってみることに。
まずは愛国駅へ。
愛国駅は住宅地にあり、訪問した時には他には誰もおらずひっそりとしてましたが、旧駅舎は交通記念館として現役当時に使われていたものが保存、展示されています。
隣の公園にはハート型の噴水もあり、今なら映えスポットとして推していけばもっと人が来そうですが。
駅舎へ入ると、廃止当時の運賃表や時刻表など。
時刻表の内容は廃止当時のもののようですが、時刻表自体は印刷されているので廃止後に作り替えられたものかも。
手書き文字が醸し出す雰囲気がたまらない運賃表ですが、隣の駅まで70円だったり、東京都区内まで8400円という当時の運賃に懐かしさも。
他にも、広尾線の歴史や写真パネル、切符類、制服が展示されていたり・・・
駅の窓口で硬券の切符を収納してる箱など、当時の備品がたくさん展示されています。
広尾線が廃止される前の最終列車のヘッドマークと愛国駅の構内図が書かれたパネルには、びっしりと訪問者のメッセージや名刺が貼られてますが、有名企業の名刺もあったりして、今のご時世、個人情報が使われやしないかと。
名刺の連絡先に「愛国駅に貼られた名刺を見て連絡しました」って電話したらビビるやろうな。
ホームには、広尾線はもちろん全国で活躍してた9600形蒸気機関車(19671)が静態保存、展示されている。
この19671は、大正7年に製造されて昭和50年までの57年間、貨物を牽引してました。
小さめの動輪が片側に4つあり、大型のボイラーを積むためスピードは出ないものの牽引力は強かった。
前と後ろの表情が違いすぎるところも、蒸気機関車の愛らしいところ。
かつて売店として使われていた車掌車は放棄され、かなり朽ちてきている。
今でこそひっそりしてましたが、ブームの頃はものすごい人が来てたんでしょうね。